2022.04.09

CARS

乗ればわかる、最高な乗り味! アウディSQ5に試乗したモータージャーナリスト5人の意見とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】

2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。アクティブ・センターデフや電子制御サスペンションといった専用装備が与えられたQ5の最上位モデルであるSQ5には、佐野弘宗、藤野太一、小川フミオ、金子浩久、清水草一の5人のジャーナリストが試乗した。

3リッターV6ターボを搭載するQ5のSモデル

Q5の高性能モデルであるSQ5。SQ5のより洗練されたスタイルは、Sモデルであることを主張するバッジや、アルミニウムルックインサートを備えたSモデル専用ハニカムグリル、立体感のあるエアインテークを統合した力感溢れる専用デザインのバンパーなどに見てとれる。また、次世代の革新的なライティング・テクノロジー、マトリクスOLEDリヤライト(有機発光ダイオード)も採用。3リッターV6ターボは最高出力354ps/5400~6400rpm、最大トルク500Nm/1370~4500rpmを発生する。8段ティプトロニックを介して4輪を駆動。全長×全幅×全高=4685×1900×1635mm。ホイールベース=2825mm。車両重量=1920kg。車両本体価格932万円。



素直かつ爽快な走りでダカールに想いを馳せられる!?/佐野弘宗


今年1月に開催された「ダカールラリー2022」に、アウディが電動バギーのRS Q e-tronで参戦したことを知っている人も多いと思う。1980年代前半にクワトロで世界ラリー選手権を席巻して以降は、アウディのモーター・スポーツ活動は基本的にオンロードだったが、オフロードを駆けるアウディはやっぱりカッコよかった。縦置き3.0リッター V6ターボに、伝統の真正フルタイム・クワトロを組み合わせたこのSQ5は、そんなダカールに“いま・ここ”で思いを馳せるのにちょうどいいアウディだと思う。354psという最高出力とDセグメント級の車体サイズは、一般公道でそれなりに溜飲を下げるにはギリギリの性能と大きさだろう。実際、SQ5はSUVらしい地上高をものともせず、右足ひとつでどこからでも飛び出すような加速や、水平姿勢のまま安定しきったコーナリングを見せてくれた。まあ、ダカールを走ったのは、これとは別物の4気筒のシリーズ・ハイブリッド・バギーだけれど、路面を問わずにスポーツカーのように走るSQ5は素直に爽快なクルマだ。

インフォテインメント・システムには最新世代の「MIB3」を採用。ダッシュボード中央のディスプレイは10.1インチにサイズアップしたタッチパネルになり、音声入力は「ヘイ、アウディ」との呼びかけで起動する。

専用のメカニズムがもたらす上質さのすべてが“いい塩梅”/藤野太一

RSモデルが設定されていないQ5シリーズで、最上位グレードにあたるのがSQ5だ。注目ポイントは最高出力354ps、最大トルク500Nmを発揮する3リッターV6ツインターボだけにあらず、そのクワトロシステムにある。Q5シリーズも最新型では効率化のため通常時はFFで走行するオンデマンド・タイプになった。しかしSQ5は、通常走行時はトルクを前後40:60のリアよりに配分し、走行状況によって可変制御する機械式センターデフを備えたこれぞクワトロというべきフルタイム4WDシステムを搭載する。足回りには、電子制御式ダンパーを組み合わせたダンピング・コントロール付きSスポーツ・サスペンションと20インチ・アルミホイールを標準装備。アルミとスチールを組み合わせた軽量、高剛性ボディと出来の良いサスペンションが相まって、走行モードをコンフォートかオートにしておけば、乗り心地は至って快適で上質なものだ。Q5シリーズでもっともスポーティな立ち位置にいるが、やりすぎていないのがいい。デザインも音もハンドリングも、いい塩梅というものをアウディは知っている。



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