2022.04.09

CARS

乗ればわかる、最高な乗り味! アウディSQ5に試乗したモータージャーナリスト5人の意見とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】


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続いて、小川、金子、清水のインプレッション。スポーティさと快適性という相反する性能が両立しているとの評価が大半を占める中、BEV戦略を公表しているアウディの内燃機関エンジニアリングの素晴らしさを改めて取り上げた小川のコメントは興味深い。

スポーツカーのような操縦感覚を引き出すみごとなエンジニアリング/小川フミオ

たしか、2033年までに内燃機関を搭載したクルマの製造を原則として終了する意向だったよね。と、念押ししたくなるほど、アウディの内燃機関搭載モデルの出来がよい。ひさしぶりに乗ったSQ5が、あらためて、そう思わせてくれた。2リッターガソリン・エンジン搭載のQ5 45TFSIクワトロが183kWの最高出力であるのに対して、SQ5の3リッターV6は260kW。最大トルクは500Nmもある。全長4685mm、全高1635mmのボディは、見かけはSUVでも操縦感覚はスポーツカーのよう。ステアリング・ホイールを動かしたときといい、アクセレレーター・ペダルを踏み込んだときといい、とにかくするどい。機械式センターデフによる「クワトロ」4WDシステムと、ダンピング・コントロール付き「Sスポーツ」サスペンションの恩恵だろう。ドライブ・モードで「ダイナミック」を選んでいると、とりわけ、SQ5というモデルを企画して、そして作り上げた、アウディのみごとなエンジニアリングに感心させられる。e-tron GTもすごいけれど、いっぽうでこんなクルマ作っちゃうんだから、アウディの社内はどうなっているんだろ。



静かでスムーズなのに速い! 洗練さが隅々まで行き渡っている/金子浩久

アウディのミディアム・サイズSUVであるQ5をよりスポーティに仕立てたのがSQ5。2リッターディーゼル版のみの設定であるQ5に対して、SQ5は354psを発生する強力な3リッターV6ガソリン・エンジンに8段ATのティプトロニックが組み合わされる。ちなみにQ5のトランスミッションは7段のSトロニックだ。スペックも強化されているが、内外装も“S”独自のものに仕立て上げられている。走らせると、静かでスムーズなのに速いことに驚かされた。354psを発生しているV6エンジンのフィールも素晴らしく、キメの細かい“パワーの粒子”のようなものが、右足の動きに応じて速やかに滑らかに出入りするのが見えるようだ。モーターとは違った、エンジンならではの加速感だ。荒れている路面ではハンドルを通して舗装のザラつきを感じることもあるが、車内の静粛性は保たれたまま。アウディらしい洗練が隅々まで行き渡っていることに満足できた。洗練が、淡白でモノ足りなく感じる人もいるかもしれないが、好みによるだろう。



最近のアウディらしい、まるで安楽世界な乗り心地のSモデル/清水草一

近年のアウディは乗り心地が素晴らしい。かつてアウディの足と言えば、ほぼ例外なくスポーティに締め上げられ、ゆったり流したい気分の時はかなりのやせ我慢を強いられたが、どういう哲学の変更があったのか、そういった苦痛ゼロの安楽世界にいながらにして、スポーティな走りを見せるようになった。今やアウディは、世界で一番乗り心地のいいブランドではないだろうか! SQ5は「S」が付くだけにQ5のスポーティ・モデルだが、それでもやっぱり乗り心地がとてもいい。路面のジョイントを乗り越える時の当たりが優しくてうれしくなる。エンジンは3リッター V6ターボの354psだが、こちらも雰囲気は存外マイルドで優しい。もちろん踏めば十二分にパワフルだ。ふとコックピットを眺めれば、カーボン・インテリアがしっかり「S」を主張している。クルマから降りて振り返ると、ブラック・アウトされたグリルが適度なワル感も主張していて頼もしい。サイズ感も実に適度で実用性抜群だ!



写真=柏田芳敬(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

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