2022.04.11

CARS

新世代のひと言では足りないくらい新しい BMW iX xDrive50に5人のモータージャーナリストが乗った【2022年エンジン輸入車大試乗会】

BMW iX xDrive50

全ての画像を見る

advertisement


続いて、生方聡、国沢光宏、島崎七生人のインプレッション。iXがこれまでのBMWと比べ変わったところはデザインテイストだけではないようだ。ここから3名の視点がそれぞれ異なることからも、iXの見逃せないポイントが多いことがわかるだろう。

お値段以上! 走りも乗り心地もクオリティも極上レベル/生方 聡

続々と電気自動車が投入されている2022年において、いま一番お買い得と思えるのがこのBMW iXだ。1116万円という値段でどこがお買い得なんだと叱られそうだが、その走りを一度体験すれば、iXが“お値段以上”なのが理解できるはずだ。ひときわ大きなキドニー・グリルは、私には近寄りがたい雰囲気に思えたが、ドアを開けて室内を覗くとそこはモダンで上品な心地よい空間だった。シンプルなコックピットと、そこに置かれる湾曲した大型モニターは、意外にしっくりくる組み合わせだ。しかし、一番の見どころは上質さをきわめた走り。床下にバッテリーを積む電気自動車だけに、SUVスタイルであっても挙動は落ち着いており、乗り心地も極上のレベル。もちろん、BMWの一員だけにスポーティな走りは標準装備で、2.5t超えとは信じられないほど軽快にコーナーを駆けぬけていく。さらにアクセレレーターを踏み込めば、圧倒的な加速が味わえるのだ。ここから始まる新しいBMWを知るうえでは見逃すわけにはいかない1台である。



何から何まで新しく面白い! 百聞は一見にしかずなクルマ/国沢光宏

「予習」を全くしないまま試乗したら、久し振りに「これは凄い!」と思いました。何から何まで新しい! 今まで既存の自動車メーカーはテスラの面白さに勝てるクルマを作れなかったけれど、iX50を見て「やっと真正面から勝負出来ますね!」。あまりの面白さにどこから紹介したらいいか迷うほど。例えばバッテリー搭載容量は111.5kWhとスンゴイ! テスラで最も多くバッテリー積んでいるモデルすら100kWhです。従って航続距離WLTCだと650km。おそらく普通に乗って500km以上走るだろう。インテリアも既存のBMWと全く違うテイストになっており、それだけで御飯が3杯くらい食べられそう。魂消たのがバウワーズ&ウィルキンスのボディソニックオーディオ。フルボリュームで鳴らしてみたら、もう大満足! 新型エスカレードに匹敵するインパクトだ。このオーディオだけに200万円出して良いほど。久々に「百聞は一見にしかず」と紹介したいクルマです。ぜひ実車を見てオーディオも聞いて欲しい。1116万円はお値打ちだ。



風切り音が“ない”!? 驚くほど静か!/島崎七生人

そう来たかぁ、である。BMW iXは決してBMWの電動車の新シリーズということではなく、まったく新しいコンセプトで考えられたクルマで、電動パワートレインはそれに相応しいものとして選ばれた、ということらしい。なるほど先例のi3やi8がコンセプチュアルな出で立ちを特徴にしていたのに対し、iXの内外観の文法は大きく異なる。とくに内装はラグジュアリーかつモード系の要素も取り込み、オプションのナチュラル・レザーカスタネアに包まれた室内空間は非ドイツ車的だ。ドア・オープナーが電気仕掛けのボタン式だったりと新機軸も盛り込まれるが、基本的な操作系は全体的にはオーソドックスで、予備知識がなくても走らせられる。走らせて特筆に値するのは静粛性の高さで、パワートレインのメカ音はもちろん、ロードノイズの小ささや風切り音の“なさ”には驚いた。外観は今どきのツンとすました風だが、キドニー・グリルはレーダー、カメラなどを内部にもつという、新たな機能を得ている。



写真=柏田芳敬(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement