2022.04.16

CARS

クラシック・スポーツなのに超快適! モーガン・プラス・フォーに5人のモータージャーナリストが試乗!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

モーガン・プラス・フォー

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。アルミニウム製のフレームやサスペンションを採用し生まれ変わった新世代のモーガン、プラス・フォーには、大井貴之、斎藤 聡、嶋田智之、島下泰久、石井昌道の5人のジャーナリストが試乗した。

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新世代モーガンのエントリーモデル

プラス・フォーは現行モーガンにおけるエントリー・モデルで、アルミの接着式フレームやサスペンションは上位モデルのプラス・シックスと基本的に共通だが、上に覆い被さる木製の上屋部分が異なり、一回り車体は小さい。サイド・ガラスは往年のモーガンと同様、ネジ止め式で簡単に着脱できる。フロントに搭載されるBMW製の2リッター直4ターボ・ユニットは258ps/400Nmを発揮する。試乗車の8段AT仕様の車両重量は6段MT仕様に比べてなんと4kg軽くなっている。0-100km /h加速は4.8秒。最高速度は240km /hに達する。全長×全幅×全高=3830×1650×1250mm。ホイールベース=2520mm。乾燥重量=1009kg。車両本体価格=1254万円。



軽やかさはもちろんだが、快適性が想像以上!/大井貴之


去年はモーガンの3ホイーラーに試乗した。わずかなフロントのオーバーハングに、まるで昔のアメ車にあったバッファローの角飾りのように2リッターのVツインが搭載されたシロモノ。カッコ良さも厳しさも、ほぼ昔のまま。それに対して今回のプラス・フォーは97%のコンポーネンツを一新。プラス・シックスに採用された接着アルミ・プラットフォームを採用。たった1009kgの車体に258ps、400Nmを発揮するBMW製の2リッター・ターボを搭載。ただ、すべてが一新されたからと言って、このクルマにそんなパフォーマンスを必要とするユーザーはいないと思うが、アクセレレーターを床まで踏めばこのくらいのことはできますよって話。実際、走らせてみると軽やかに走ってくれるのは勿論だが、想像以上に快適。ただ、クローズド状態で空調ファンをOFF にしていても、走り出すと車内には微風が吹く。そんなことは気にせず、開けるのにも閉めるのにも手間を要する幌の脱着自体も楽しむことができなければこのクルマに乗るのは難しい。カッコ良いって、いろいろ大変なんです。



85年前の設計が今でも生きている現役のクラシック・カー/斎藤 聡

モーガン・プラス・フォーは文字どおり生きた化石、現役のクラシック・カー。CX-ジェネレーションと呼ばれるプラットフォームは、2019年に発表された接着アルミを使ったもので、乗り心地と操縦性を現代に通用するレベルに仕立てている。

狭いコックピットに収まるのは、昔ながらの儀式みたいだし、ハンドルを切り出すと長い鼻先がググッと曲がり込んでいくウインド・スクリーン越しの風景は独特だ。それでいてプラットフォームやステアリングまわりの剛性感は現代のモダンなクルマに十分に比肩する水準にある。そして、このプラットフォームのおかげでサスペンションもちゃんと動いてくれるのだ。乗り味は穏やかで、乗り心地と操縦性のゆったりしたリズムが他になく心地良い。

モーガンに乗って改めて思ったのは、85年前に設計されたクルマが、基本設計を変えることなくゆっくりと時代に合わせながら進化し、“いま”も現役で“ここ”にあるという事実の持つ重みだ。それはとても素敵なことなのではないかと思う。



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