2022.04.16

CARS

クラシック・スポーツなのに超快適! モーガン・プラス・フォーに5人のモータージャーナリストが試乗!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

モーガン・プラス・フォー

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続いて、嶋田智之、島下泰久、石井昌道の3名のインプレッション。モーガンといえばMTという常識を覆す、8段AT仕様が今回の試乗車だったのだが、3名ともにATに触れているところは注目だ。

デートにも使えるけど、最高に楽しいモーガン/嶋田智之

プリミティヴでストイシズム溢れるスポーツカーに関してはちょっとばかり原理主義者的な想いがあって、できるだけ徹底している方が楽しい、と思っている。でも、そういう時代じゃないのかも、と感じさせられた……いい意味で。何せこのプラス・フォーのトランスミッションは、8段AT。望めばシート・ヒーターもコンフォート・シートも、オーディオだってエアコンだって備えられる。一部に伝統のトネリコ材を使いつつ接着アルミで構成されたプラットフォームに4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションという新世代シャシーは、甘っちょろくはないけど以前のモーガンと較べれば格段に乗り心地がいいから、400Nmのトルクにのってゆったり海沿いをクルージング、なんて走り方だって楽しみたくなる。難なくデートに使えるモーガンなのだ。もちろんBMW謹製の258psに鞭を入れればドラッグマシンの加速も味わえるし、パドルで回転を選びつつアクセルを入れれば、後輪を弾けさせることだって思いのまま。6段MTも楽しいけど、何だよ、こっちも最高に楽しいじゃないか!



たとえAT仕様でも強烈な個性は薄れない/島下泰久

硬派なイメージのモーガンにこんな一面があったなんて! 内外装が質高く、センス良くコーディネートされたその姿の愛らしさに、思わず恋に落ちてしまった。しかもこのプラス・フォーはAT仕様である。それじゃ面白くないのでは……なんて心配は無用。このブランドの強烈な個性はそんなことで薄れたりはしない。普段はDレインジで爽快に流して、いざとなったらコラム固定のパドルを弾いてマニュアル変速を楽しむ。これも大いにアリだ。ただし、サイド・ウインドウを取り払ったプリミティヴなスタイルでの冬のドライブはとにかく寒さにまいった。60km /hですら肩や腕が凍てつくかのよう。ヒーターは付いているけれど、風の巻き込みで効果はほとんど感じられない。速度が30km /hくらいまで落ちてきて「そう言えば付いていたっけ」と思い出すくらいだった。けれど、なんだかんだ言って楽しいクルマである。やはり男たる者、いや女でもいいのですが、“オトナ”になったらこういうクルマで楽しみたい。モーガンにはこの先もそんな存在であり続けてほしい。



非日常と日常をちょうどよく融合するまでに進化/石井昌道

真冬の朝一番での試乗がモーガン。そのクラシカルな美しいスタイルを写真に収めるためには、潔くルーフもサイド・ウインドウも取り払って出撃せざるを得ないから、気合いを入れる必要があった。街中をノロノロと走る程度なら平和なものだが、高速域になるとヒーターの温風がすべて外へ吸い出されていって案の定の激寒! それを見越して防寒対策してきたので辛くはなくシャッキリと目を覚まさせてくれたから、むしろいい時間となった。寒さに対する気合いは必要だが、最新のモーガンであるプラス・フォーを走らせることに気構えは不要である。エンジンはBMW製2リッターターボで、変速機もBMWが採用するZF製8段ATだ(6段MTもある)。普通にDレインジで走っていると拍子抜けするぐらいに楽ちんなので、パドルを使って積極的にマニュアル操作したくなる。シャシーも驚くほど進化して真っ当なスポーツカーになった。これならどこへでも行きたくなる。毎日でも乗りたくなる。非日常的なクラシカルな雰囲気のなかに、日常がちょうどよく融合したモデルなのだ。



写真=郡 大二郎(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

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