2022.04.20

CARS

運転が心底楽しめる、究極か唯一の存在! ケータハム・スーパー・セブン1600に5人のモータージャーナリストが乗った!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

ケータハム・スーパー・セブン1600

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。名車ロータス・セブンを受け継ぐケータハム・スーパー・セブンシリーズから、スーパー・セブン1600が登場。山田弘樹、藤原よしお、塩見 智、斎藤慎輔、小沢コージの5人のジャーナリストが試乗し、その魅力を語り尽くす。

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すでに生産終了。販売はディーラー在庫のみ

スーパー・セブン1600はベースとなるセブン270S同様にサイクル・ウイングも選択できるが、前輪をなだらかに覆うレトロな雰囲気のフレアード・フロント・ウイングが標準となる。全長は3380mm、全高は1115mmだが、車幅の異なるナロー・ボディ(標準)とワイド・ボディ(+60万5000円のオプション)の2種類から選択可能。ホイールベースは2225mm。車両重量は565kg。フロントに搭載される1.6リッターのフォード製シグマ・ユニットは最高出力135ps、最大トルク16.8kgmを発揮し、5段MTを介して後輪を駆動する。0-100km /h加速は5秒。最高速度は195km /h。車両価格は621万5000円だが、すでに英ケータハム社では生産を終えており、正規販売店での在庫のみだという。




理想が全て詰まっている。迷っている時間はない!/山田弘樹


フォード製のテンロク直列4気筒“シグマ”エンジンは、インテーク・マニフォールドなどに手が加えられていて回せばきっちりレブまで吹け上がり、手首を返すだけで決まる5段MTを介して気持ちよく、かつ野蛮にそのパワーを後輪に伝える。565kgの車重は伊達じゃなく、135psのパワーが倍以上に感じられる。しなやかな足まわりはアクセル操作に敏感に反応し、コーナリング中にも積極的にその姿勢を変化させてくる。すべての操作が小さなコックピットの中で完結し、ダイナミックな動きとなって現れる快感。

スーパー・セブンのラインナップ中、ミドルレンジ担当の1600は、“怖さ”と“楽しさ”のバランスが最高にちょうどいい。コイツはクルマ好きがクチにする理想を全て詰め込んだ、究極のミニマル・スポーツカーだ。フォードはこのエンジンを生産終了したが、ケータハムはそれを見越して買い込んだという。鼻水たらしながら欲しくなった。迷っている時間は余りない。



ビビったら負け。ドライブというよりむしろスポーツ/藤原よしお

まだ買えるものの昨年1.6リッターのフォード・シグマが生産中止になったので新車で味わえるのはあとわずか。確かに660ccの160も面白かったけど、往時のケント・エンジンのように軽やかに回り、ドライバーのアクションにしっかりと応えるシグマはセブンにベストマッチと思うだけに名残惜しい。この1600は小径のモトリタ・ウッドやクラムシェル・フェンダーなどが標準装備でクラシカル。でもそこはセブン、たった135psでも容赦なし。サイド・スクリーンなしで路上に繰り出すと、身も心も丸裸にされたみたいで60km/hでも十分にスリリング。轍や路面の荒れに敏感に反応するステアリングを押さえつけて、コクコクと小気味のいい5段MTを駆使して走るのは、もはやドライブというよりスポーツという表現がふさわしい。さらに速度を上げると特徴的なクラムシェル・フェンダーが風を受けてフロントが浮き気味になる「逆ウイングカー構造」にビックリ。そこでビビったら負け。これは天国のコーリン・チャップマンから「愛と覚悟」を試されているのだと、心して乗るべし。



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