2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。電動モデルを積極的にラインナップするDSブランドのフラッグシップSUVであるDS7クロスバックには、岡崎五朗、竹岡 圭、武田公実、金子浩久、山田弘樹の5人のジャーナリストが試乗した。前後モーター駆動のプラグイン・ハイブリッド4WD2021年3月、DS7クロスバックに4WDのプラグイン・ハイブリッド・モデル、DS7クロスバックEテンス4×4が設定された。1.6リッター直4ターボ(200ps、300Nm)に加えて、フロント・モーター(110ps、320Nm)とリア・モーター(112ps、166Nm)を搭載する。エレクトリック・モードで56kmの走行を可能とするほか、前方の路面状況を読み取りサスペンションを自動制御するアクティブ・スキャン・サスペンションを搭載、フラットな乗り心地を実現している。全長×全幅×全高=4590×1895×1635mm。ホイールベース=2730mm。車両重量=1940kg。車両本体価格=746万6000円~。
ゲルマン流に飽きた人にはなかなかオツな選択/岡崎五朗プジョーが国際車だとしたらシトロエンはフランス車、そしてDSはパリ車、なのだそうだ。なるほどDSのキャラクターは強い日差しが眩しいコートダジュールでもなければ、メルヘンチックなストラスブールでもない。伝統と革新が混在したキラキラ輝く宝石のような街とDSはたしかに多くの部分がオーバーラップする。シートの幾何学模様のステッチはDとSがリフレインするモノグラム。イグニッション・オンで目玉がぎょろりと動くヘッドライト、時計は年間2000個しか製造しないフランスの高級ハンド・ウォッチメーカーB.R.M.製だ。決して上品な演出ではないけれど、ゲルマン流のシンプル・デザインに飽きた人が気分を変えてみるにはなかなかオツな選択だと思う。尖った段差では20インチ・タイヤの影響でちょっと硬さを感じるものの、カメラで前方の路面をスキャンしダンパーの減衰力をリアルタイムで最適化する凝ったシステムは、ほとんどの路面でしなやかさとフラット感を両立している。現在はこのDS7クロスバックがDSのフラッグシップだが、本国で発表済みのDS9も大いに楽しみだ。
海外旅行感満点で、ある種のどこでもドア/竹岡 圭ハートが鼓動するように脈打つスタートスイッチ。プッシュするとその上がクルリと回ってアナログ時計がお目見え…。もうこれだけで気持ちが上がっちゃう。とにかくいろんなところが、まるで宝飾品に囲まれているかのごとくキラキラと輝いていて、お姫様気分にさせてくれます。さまざまなカタチを組み合わせながら、デコラティブなんだけれど品の良さを忘れず、ピリリとスパイスが効いて~って、こういうデザインはDSにしかできないんじゃないかしら、いつまでも眺めていたいわ~、と思えるほど完成度が高いんですよね。オペラ、リヴォリ、バスティーユなど、パリの名所のネーミングも見合っていて、全身でオシャレの国フランスを主張してくれるからこそ、ドアを開けた瞬間から海外旅行感満点で、こんな時期に最高の贅沢に感じさせてくれます。ある種どこでもドアを持ったクルマなんですよね。それでいて時代に即したPHEVのAWDモデルというのがまたイイ。でも、そういった最先端の違和感をほぼ感じさせない乗り味なのは、心憎い演出だと思います。
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