2022.05.02

CARS

伝統の名に相応しい! アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェに5人のモータージャーナリストがイッキ乗り!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

アルファロメオ・ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ

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続いてのインプレッションは、山田弘樹、生方 聡、藤原よしおの3人。なかでもBEV化への路線変更に着目した山田の「ガソリン時代を味わうなら今」のコメントは、クルマ好きなら見過ごせないはずだ。

ガソリン直4ターボを楽しむなら、いま/山田弘樹

アルファ75以来、宿願だった後輪駆動への回帰を果たした「ジュリア」。そのFRコンポーネンツをまるっと使い、車高を上げて4WD化したステルヴィオ。よってそのハンドリングは、並み居るSUV勢の中でもとびきり軽やかで爽快だ。しかも今回試乗したQ4ヴェローチェは、デビュー当時よりもその乗り味が大きく洗練されている印象を受けた。ステアリングを切ればパキッ! と曲がり、アクセルを踏めば280psのパワーをダイレクトにトラクションへと変換していくその身のこなしは、往年の“ロメオ”を思い起こすほどしなやかな乗り味へと昇華されているように感じた。アルファはこうした細やかな改良をアナウンスなしに行うことも珍しくないが、2024年にフルEVモデルを発表し、翌年からはBEVのみをローンチすると彼らは明言しており、この「ジョルジオ・プラットフォーム」の行方も明確ではない。煽るわけではないけれど、アルファでガソリン時代の鼓動を感じたいなら今。ディーゼルもいいけどやっぱり、直4ガソリン・ターボの加速でこのハンドリングを楽しみたい。



クルマ好きにグッとくるデザインが息づいている/生方 聡

デジタルは嫌いじゃない。いやむしろ大好きだ。クルマの世界でも、いまやデジタルなしでは走らない時代になったが、コックピットにかぎればデジタルよりもアナログのほうが好みである。白物家電のようにつきあうクルマなら我慢もできるが、愛情を持って接するクルマなら昔ながらのアナログ・メーターや存在感のある物理スイッチのほうがうれしい。その点、このアルファ・ロメオ・ステルヴィオは、時代の流行に惑わされることなく美しいコックピットをつくりあげていることに感動すら覚えるのだ。メーターパネルは大きな庇(ひさし)の下にスピードメーターとレブカウンターが収まっている。クルマ好きにはグッとくるデザインが、このステルヴィオにはいまなお息づいているのがうれしい。センターコンソールもいたずらにスイッチを減らすことなく、直感的に操作できるのがさすがといったところ。もちろんその走りも素晴らしく、SUVスタイルでありながらアルファらしい軽い身のこなしと、路面に吸い付くようなコーナリング、快適な乗り心地など、期待を裏切らない。

ダブル・ステッチを施したレザー・ダッシュボード、アルミニウム・パネルで装飾したインパネやセンター・コンソール、さらにはスポーツ・レザーシートなどを用いて、全体的にスポーティな雰囲気に仕立てられている。

SUVというよりスポーツ・ワゴン!/藤原よしお

縦置きエンジン、フロント・ミドシップ、前後重量配分50:50、基本FRベースのオンデマンドAWD……と、成り立ちを列記するだけでも十分エンスーな香りがプンプン漂うステルヴィオは、乗っても期待を裏切らない真正のアルファ・ロメオ。右足の動きに即座に応えてくれる280psの直列4気筒ターボはヴェローチェの名に相応しく、心地よいアルファ・サウンドが響き渡る。以前乗った2.9リッターV6のクアドリフォリオは、有り余るパワーを腕っぷしで押さえ込みながら振り回す男っぽさが魅力だったけれど、2リッター・ターボのQ4ヴェローチェはかつてのアルフェッタ・セダンのようにバランスがよくて至ってスマート。ステアフィールもねっとり系ではなくスッキリ系でヒラヒラと走れる。あまり飛ばしすぎるとブレーキがちょっと心許ないけれど、SUVというよりスポーツ・ワゴンという表現がしっくりくるほどスポーティ。しかも過去に乗ったステルヴィオよりも熟成が進んで、内外装の質感や機関の所作が遥かに洗練されていたのも◎。あと「青いアルファも良い!」というのも今日の新発見。



写真=柏田芳敬(メイン、サブともに)

(ENGINE2022年4月号)

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