V8やW12をも上まわる“最適解”　ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドに5人のモータージャーナリストが試乗！【2022年エンジン輸入車大試乗会】

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ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド

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続いてのインプレッションは島崎七生人、塩見智、飯田裕子の3人。中でも、ベントレーらしいユニークなハイブリッド・モードを詳しく紹介している塩見のコメントからは、ラグジュアリーブランドたるベントレーのこだわりが感じられる。

ハイブリッドだろうとベイテイガ以外の何者でもない／島崎七生人

ベントレーというと、僕にとっては夢に出てくるのを見たことすらないくらい、自分の実生活には縁遠い存在だ。が、以前に試乗したことがあるコンチネンタルGTのクーペやコンバーチブルは、浮世離れしているからこその一般的なクルマとは別世界の優雅さに陶酔させられた。SUVモデルのベンテイガも同様で、何年か前にマイナーチェンジ前のモデルに都内で試乗した際に「ああ、この威風堂々とした振る舞いに見合う人間に生まれ変わりたいものだ」と思った。誤解を恐れずに言えば（あるいは当然のことながら）、ベンテイガはパワートレインが何であれ、ベイテンガ以外の何者でもないと思う。試乗車のハイブリッドは、最新のルックスに歩調を合わせたオプションの22インチ・タイヤを履き、スマートな迫力が添えられたが、無造作に走らせても3リッターのV6エンジンの“入り”はごくスムーズだったりと、世界観を損なわない。約50km（31マイル）のモーター単独走行が可能だそうだが、室内装飾を味わいながら静々と走らせる（後席に身を委ねる）のがいいのだろう。

インテリジェントなカーナビ連動型のハイブリッド／塩見智

一般道はEVモードで事足りる。これ以上高い負荷をかけるとエンジンがかかることを、アクセレレーターに抵抗感を設定することでドライバーに伝える。この抵抗を踏み越えない範囲で走行すればエンジンはかからない。できるだけエンジンをかけないゲームを楽しむかのように走行することができる。勢いのある加速を望むなら、抵抗を踏み越えるように右足に力を込めればよい。ほとんど振動を感じず、エンジン音だけがほんのりと車内に響くと同時に勢いのある加速が手に入る。ハイブリッド・モードがこれまたユニークだ。低負荷時にモーター走行し、高負荷時にエンジンが加勢する基本パターンはEVモードと同じだが、カーナビと連動し、ルート途中に市街地がある場合、その区間をできるだけEV走行できるように、その手前でバッテリーを使い切ってしまわぬよう、負荷にかかわらず適宜エンジンがかかる。そして目的地に到着した時点でバッテリーを使い切るように努めるというではないか。インテリジェントだ。各ブランドが電動時代の差別化を模索している。

異なる質の静かさが2種類味わえる／飯田裕子

3リッターV6ツインスクロール・シングル・ターボ＋モーターを組み合わせたハイブリッドが発進や加速性能に優れ、燃費性能の向上に繋がる。そういうことは想像もしやすい今日この頃ではないかしら。ベンテイガは内燃機関を搭載するSUVのなかで最も静粛さが際立っていた。快適さと頼もしいドライバビリティを持つラグジュアリー・モデル、という印象を抱いている。そこに登場した3番目のモデルはハイブリッド走行／モーター走行の2種類の静粛さが味わえ、愉しめ、寛げるモデルだった。これまでも静粛だったベンテイガだからこそ、異なる質の静粛さが味わえる。お子さんの送迎などより日常の実用モデルとしてベンテイガを選ぶのでもハイブリッドはお薦めできそう。一方で、この日の午後、最後の試乗をすべくベンテイガ・ハイブリッドとともにターンパイクに向かった。傾き始めた冬の日差しのマジック・タイム、冬枯れの桜並木の木漏れ日も美しい道を曲り下りしているときにふと「遠出をした帰り道でもこうしてワインディング・ルートを選びたい」という思いが浮かんだ。

2代目となったベンテイガをベースとするプラグイン・ハイブリッド。搭載する3リッターV6のツイン・スクロール・シングル・ターボ＋モーターのシステム出力は330kW、700Nmに達し、8段ATを介して4輪を駆動する。給油口と給電口はそれぞれ左右に分かれて配置されている。200V普通充電にのみ対応し、CHAdeMO急速充電には非対応。モーターのみで約50kmの走行が可能となっている。

2代目となったベンテイガをベースとするプラグイン・ハイブリッド。搭載する3リッターV6のツイン・スクロール・シングル・ターボ＋モーターのシステム出力は330kW、700Nmに達し、8段ATを介して4輪を駆動する。給油口と給電口はそれぞれ左右に分かれて配置されている。200V普通充電にのみ対応し、CHAdeMO急速充電には非対応。モーターのみで約50kmの走行が可能となっている。

写真＝茂呂幸正（メイン）／郡大二郎（サブ）

（ENGINE2022年4月号）

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