2022.05.24

CARS

駆動方式は違うのに“アンダーステア嫌い”が共通点!? アルピーヌとルノー・スポール、2人のオーナーが語るA110とメガーヌR.S.【前編】

アルピーヌA110(左)とルノー・メガーヌR.S.

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フランスの数少ない本格派スポーツ・モデルのアルピーヌA110とルノー・メガーヌR.S.を、A110オーナーの石井昌道さんと、先々代のルーテシアR.S.を所有する佐野弘宗さんの2人のモータージャーナリストが試乗した。

この2台の開発にはどちらも旧ルノー・スポール社がかかわっているため、走りの性格はすごく近い。しかし、実はその見た目から想像するのとは正反対のステージが意外と似合うと、2人は言う。

貴重な2台のフランス製スポーツ・モデルはどんな走り味を持っているのか? 前編では、A110の開発秘話や、それぞれのブランドの成り立ちなどから2台の特徴を語ってもらった。

世界中のジャーナリストが選んだセッティング

佐野 石井さんはアルピーヌA110の開発に関わったんですよね。

石井 そうなんです。ある日、突然「○月×日にスペインに来られませんか?」と英語の電話がかかってきて。発売を予定している各国のジャーナリストを一人ずつ呼んで、試乗テストをしたいとのことでした。



時期はA110の国際試乗会が開かれる2017年末のちょうど1年前。シャシーに大きくA案とB案の二つの仕様が用意され、どっちがいいか……というのが最大のテーマでした。それで、自分も含めて参加した各国ジャーナリスト全員がAを選びました。

簡単にいうと、ボツになったBはもっとリアを粘らせるセッティングで、今のA110にあるサーッと曲がる感じがなかった。リアは粘るんだけど、抜けるとリバースが速くて、気持ちよくなかった。

で、翌年5月に2回目の確認テストがあって、A案をベースにさらに仕上がっていました。個人的にパワステについてもセンターがあいまいという指摘をしていたんだけど、そこもしっかり修正されていた。



実用的なFFハッチバックを高出力エンジンと専用フロント・サスペンション、そして四輪操舵の4コントロールで武装したメガーヌR.S.。今回の取材車は2種類あるグレードのうち、より硬派な「トロフィー」で、軽量であることが売りのサポート性の高いバケットシートのほか、古典的な6段MTが用意されるのも特徴。オプションのOZ製鍛造アロイ・ホイールを履いていた。

佐野 今回のアルピーヌは石井さん自身の愛車です。開発に関わって、やっぱり思い入れは強かった?

石井 「いつかは乗ろうかな」くらいで、そこまで強い思いがあったわけじゃないです。長年探して見つけた素のポルシェ911カレラ(997)の6段MT仕様に乗っていたんですが、それを世話してくれた人から「997をほしがっている人がいる。手放す気はありませんか」と聞かれて「いいアルピーヌがあったら考える」と答えた。そしたら、このアルピーヌが出てきた(笑)。

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