2022.05.31

CARS

今夏で70年の歴史に幕 元祖ポルシェ輸入元、ミツワ自動車の去り際

銀座八丁目にあるミツワ自動車のショールーム

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水冷の登場から25年

ところで、僕が自動車ジャーナリズムの世界に足を踏み入れたのは『CG』編集部に入った1971年のこと、ポルシェは911ナロー後期の時代に入っていた。その頃から『CG』編集記者としての僕と三和自動車との仕事上の付き合いが始まるわけだが、僕らがポルシェの試乗車を借りにいくのは通常、目黒通りの環6と環7の間にある目黒ショールームだった。

三和自動車との付き合いでは印象的なことが多々あったが、そのひとつは『CG』74年11月号で、911カレラRS3.0という超高性能モデルの試乗記を僕が担当したときのことだ。日本に1台だけ入ったRS3.0を、当時、三和の名人メカニックとして知られたYさんが自ら運転して、テストコースに運んできてくれたのである。

海外メーカーの日本法人が輸入元になっている今では考えられないが、あの時代の三和では、そういうことが実際にあったのだった。

三和自動車の広報からのオファーで、ヨーロッパで開かれる国際試乗会に何度となく出掛けたのも愉しい思い出だ。最初が1986年の959、次が88年、南仏が舞台の964カレラ4で、その後は大半の空冷911の試乗会に参加したが、911が空冷の993から水冷の996に代わった97年が、明確な変換点になった。その年、ポルシェAG直轄の日本法人、ポルシェジャパンが、ミツワ自動車に代わるポルシェの輸入元になったのである。

ミツワ自動車はその後も、クラシック911の整備やレストアなどの仕事で旧来からのポルシェマニアに重用されてきたが、水冷911の登場から25年目の今年が、ちょうどいい去り際なのかもしれない。


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文=吉田匠

(ENGINE2022年7月号)

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