コモ湖畔でTIから試す。街中でのマイルドハイブリッドの振る舞いに特筆すべき点はないが、好ましい。48V電源のBSGは減速時にエネルギーを回収するだけでなくモーターのみでの発進も可能。低速域では積極的にエンジンが停止するが、BSGならではの再始動時の振動のなさのおかげで頻繁にエンジンがオン/オフを繰り返しても不快指数は低い。
PHEVの追加が楽しみ
ワインディング・ロードに差し掛かりペースを上げる。1.5tのクルマを1.5リッターターボで走らせていることを思えば納得がいくが、アルファ・ロメオと聞いて想像する活発さを期待するとやや肩透かしをくらうかもしれない。

必要な時に必要なパワーを取り出すことはできるが、せきたてられるような盛り上がりは感じられない。きっと来年追加されるPHEVが“速い方”を担うのだろう。半面、電気で発進し内燃機関で加速するインテリジェントな走りがアルファ・ロメオに新たな顧客をもたらす可能性は秘めていると思う。
荒れた舗装路での足は硬めで、ゴツゴツとした感触を正直に伝えてくるが、ヴェローチェに乗り換え、状況に応じて減衰力の硬軟を切り替えるとぐっと印象がよくなった。13.6対1とクイックなステアリングがもたらす小気味よいハンドリングは、今走らせているのがアルファ・ロメオであることをドライバーにビシビシと伝えてくる。
ADAS、予防安全関連はひと通りの機能が備わる。車両の各種履歴を偽造できないNFT認証を用いて管理する機能が初めて備わったことで、中長期的に見て中古車の残存価値が高まるはずだ。電動アルファ・ロメオ第一弾はまず小手試しといったところ。本命はPHEVか。
文=塩見智 写真=アルファ・ロメオ・オートモビルズ

■アルファ・ロメオ・トナーレ
駆動方式 エンジン・フロント横置き前輪駆動
全長×全幅×全高 4528×1841×1601mm
ホイールベース 2636mm
車両重量 1525kg
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHCターボ
排気量 1469cc
最高出力 160ps/5750rpm
最大トルク 240Nm/1500rpm
電気モーター最高出力 20ps
トランスミッション デュアルクラッチ式7段自動MT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マクファーソン式ストラット/コイル
ブレーキ (前)通気冷却式ディスク、(後)ディスク
タイヤ(前後) 235/40R20
日本導入時期 2022年秋を予定
(ENGINE2022年7月号)
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