2023.01.18

CARS

日本一愛されているAMG300TE! ちょっと古いベンツのオーナーが、17年間、愛車に乗り続ける理由とは

メルセデス・ベンツAMG300TE3.2(1991年式)に乗る堀越さん。

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走り好きの堀越さん

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AMG300TEの前にはメルセデス・ベンツ190Eに乗っていたという堀越さん。190Eからの乗り換えは、もう少し加速性能がいいクルマが欲しいと思ったからだという。堀越さんが根っからの運転好き、走り好きであることは、愛車遍歴から伺い知れた。

「免許を取る前からクルマが大好きで、19歳になる少し前に初めてのマイカーを購入しました。アルバイトと母の援助で手に入れたのは、中古のマツダ・ファミリア・ロータリークーペ。マツダがロータリーを普及させるために注力したクルマで、とにかく速かった。レースでは当時ツーリング・カーの王者だった日産スカイラインGT-Rと戦ったんです」

その後就職して買ったのは、フォルクスワーゲン・ゴルフI。

「マニュアルでエアコンなし。国産車からの乗り換えで最初に思ったのは、壊れることですね(笑)。オイル漏れはするし、メカニカル・ノイズは凄いし。でも、ハンドリング性能は比べ物にならないほど良かった。高速道路の安定性もまるで違いました。当時、あのクラスであんなに速く走るクルマはなかったんじゃないかと、僕は思ってます」

走り好きの堀越さんも、家族からの「熱中症になる!」という声には勝てず、エアコン付きのフォルクスワーゲン・ジェッタに乗り換えた。

その後、走行1万kmちょっとの1989年式メルセデス・ベンツ190Eをヤナセ中古車センターで購入した。

「4気筒ノーマルの190は、クイック性というのとは無縁のクルマでしてね(笑)。これは面白くないかも? と最初は思いました」

ところが堀越さんは190Eに15年も乗った。

「当時、スポーツのゴルフに夢中で東京から福島のゴルフ場へ日帰りで行くなんてことをやっていました。190Eの素晴らしさを知ったのは、そのときですね。まったく疲れないんです。それでメルセデス・ベンツにハマッタというか。友人の国産車なんかだと、もう疲れちゃって。ドイツ車の底力を感じました」

しかし、19歳でマツダ・ファミリア・ロータリークーペを買った気持ちは変わらなかった。前述の通り、190EからAMG300TEに乗り換えたのである。

チューンナップ!

190Eで抑えていた気持ちが爆発したのだろうか、AMG300TEにはここぞとばかりに手が加えられていた。

内装は基本的にノーマルの300TEと同じだが、300kmまで刻まれた白い文字盤の速度計が特別であることを主張する。

「エンジン関係ではビッグ・スロットル装着をはじめ、オイルパンをフィン付きのアルミ製に交換しました。また、排気系ではタコ足に加え、オートファッションファクトリーがAMG専用に開発したリア・マフラーとイーグルテックのセンター・マフラーを装着しています。ショックアブソーバーはフロントがビルシュタイン、リアがザックス。スタビライザーのリンクはショート加工しました。フロントのブレーキ・キャリパーはポルシェ911(993)用のブレンボを付けています」

AMG300TEのボンネットを開けると、エアクリーナーがK&Nのものに交換されていたり、ホースに断熱材が巻かれていたりと、ノーマルのエンジン・ルームとは様子が違っていた。エアクリーナー交換や断熱材は、堀越さん自身が作業をしたのだという。



「路上でストップしたことは何回かあります。フューエル・ポンプのリレーは何度も交換しました。11年ほど前に無接点リレーに交換したら故障しなくなりました。燃料ポンプやエアコンのリレーなど、いざというときの予備をトランクに積んでいます。オイル交換は自分でやらないと気が済まないので、少なくとも年に2度自分でやっています。整備代が190Eとほとんど変わらないというのがいいところですね」

少々のトラブルなら自分で直してしまうところが頼もしい。

「空いている高速道路を4000rpmぐらいで走っていると、いかにもカムにのっているという感じで気持ちがいいですね。クルマとの一体感があります。現在は絶好調です」

3.2リッター直6は最高出力234ps/5750rpm、最大トルク317Nm/4500rpmを発生する。

クルマが元気でいられる理由は、堀越さんの使い方にもある。

「高速道路を走らない移動には使いません。都内での買い物などは電車を使います。雨の日には基本的に乗りません。ツーリングの帰りが雨だったら、たとえ帰宅時間が夜中であろうと雨粒はすべて拭き取ってから寝ます。水をかけるのが嫌なので、洗車もほとんどしません。とにかく汚れないように使っています」

そこまで大事にする理由はなんですか?

「長く一緒にいると、どんどん愛着がわくんです。いまでも新しい魅力の発見がある。駄々をこねるときもあるんですけど、嫌になっちゃうどころか、それさえも可愛く思える。女性と一緒かなあ?」

AMG300TEとは、よほど相性がいいのだろう。

「このクルマのおかげで、いろいろな人と出会えました。クラブに入って仲間とツーリングしたりするのが楽しい。クルマは私の人生を充実させるのに役立っていると思います」

コロナ禍が明けたら、奥さんと一緒にAMG300TEで日本を周りたいと堀越さんは思っている。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正



(ENGINE2022年7月号)

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