4年前に手に入れたという、1987年式のボルボ240GLエステート。
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遠目でもボルボとわかる今回の撮影場所は内田さんの自宅付近にある陸上競技場。ゴールデンウィーク目前の競技場はイベントもなく、平日の朝に撮影したため、人影もまばらだ。郡カメラマンと撮影場所を打ち合わせしていると、ボルボが現れた。それがすぐに内田さんだとわかったのは、昨今では見かけることが少なくなったボルボの四角いフォルムだけでなく、リアにカッコいい自転車を積んでいるからだ。自転車は3台所有していて、いずれも“クランカー”と呼ばれるカスタム。MTB(マウンテンバイク)が生まれる以前の1970年代初頭に流行した、オールド・バイクをオフロード仕様にしたカスタムだ。
「これは戦前に製造されたシュウイン社製のクルーザーのフレームがベース。とにかくフレームが頑丈で、太いタイヤを装着できる。そこにモーターサイクル用のハンドルバーなどを組み合わせてカスタムしています」ボルボと同じスウェーデンのブランド、スーリーのラックから降ろした自転車を持たせてもらうと、ずっしりと重い。なんとクロモリ(クロムモリブデン鋼=スチール)素材のフレームだけで約15kgもあるそうだ。パーツなど含めると20kg近くあるだろう。パーツも古いものと現代のものをミックスしながら、楽しんでいるのだそうだ。「クルマもそうですが、男子のDNAは、ホイールが回るものが好きなんですよ。先日、“オールドMTBミーティング”という、ヴィンテージ・バイクのイベントを企画しました。コロナ禍で3年ぶりの集まりだったのですが、同好の士と会うと、やっぱりうれしくなります。なかには20歳以上も年が離れた自転車仲間ができました。そういえば、この前、高校生の長男が“このシャツ着てみてもいい?”などと、私の服にすこし興味を持ち始めてきたみたいです。自転車も古いMTBに乗っているし、すこしずつですが、ヴィンテージ・アイテムの魅力をわかってきてくれたのかもしれません。とは言え、そもそも自分から興味を持たないと、親が(大人が)おしつけても、その魅力は伝わらないですからね」クルマだけでなく、自転車、ファッションなど、内田さんが愛する古くて味のあるモノを若い世代と共有できるのは、とても幸せなことだ。
▶「ちょっと古いクルマが面白い!」の記事をもっと見る文=小林尚史 写真=郡 大二郎
(ENGINE 2022年 7月号)
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