デザインに心を奪われ、機能に夢中になる。そして気になりだすと、見えないことがもっと知りたくなる。「どうしてこのデザインが誕生したのか」、「どのように作られているのか」、「どのような歴史を辿ってきたのか」――。時計には製作者やブランドの想いが込められた物語があり、知るほど虜になってしまう。そんな素敵なパテック フィリップの魅力を紹介しよう。
クロノグラフ 5172
ローズゴールドめっきのオパーリンダイアルとそのインデックスや注射器型針といったディテール、3重の段差を施した独特のラグやボックス型サファイヤクリスタルのガラスに現代的な解釈によるヴィンテージスタイルを表現。ムーブメントはクロノグラフに関する6件の特許を有する完全自社開発製造のCH 29-535 PSを搭載。手巻き。ホワイトゴールド、ケース直径41mm、3気圧防水。1016万4000円。
パテック フィリップの完全自社開発製造による手巻きクロノグラフムーブメントCH 29-535 PSは、2009年にクッション型のレディスウォッチの「7071」に最初に搭載された。
永久カレンダー 5320
右のクロノグラフと同様にヴィンテージ感が濃厚なローズゴールドめっきのオパーリンダイアルを採用する新作は、パテック フィリップの伝統的な永久カレンダーのスタイルに則り、12時位置に曜日と月、6時位置に日付とムーンフェイズ表示を配し、4時と5時の間に閏年周期、7時と8時の間に昼夜表示を加える。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。1195万7000円。
1925年に発表されたパテック フィリップによる世界初の永久カレンダー腕時計No.97 975。1898年に製作された婦人用ペンダント・ウォッチのムーブメントを利用している。
いつの時代も時計愛好家を魅了する、最高峰の技術の結晶
スイス高級時計の最高峰に位するパテック フィリップには長い歴史を通じて名作が数多く存在するが、20世紀初頭からの腕時計で連綿と系譜を築いてきたクロノグラフや永久カレンダーはとりわけ重要だ。
印象的なローズゴールドめっきのオパーリンダイアルを採用した 2022年新作のクロノグラフもそうだ。2インダアルの手巻きクロノグラフ「5172」は、2009年に発表されたパテック フィリップ初の完全自社開発製造のクロノグラフ・ムーブメントCH 29-535 PSを搭載し、3重の段差を施した独特のラグやボックス型サファイヤクリスタルのガラス、あるいはタキメータースケール、アラビア数字のフォント、シリンジ(注射器)型の針といったダイアルのディテールにヴィンテージ感が色濃く、実に魅力的だ。
新作の永久カレンダー「5320」も同じ。永久カレンダーを搭載する腕時計はパテック フィリップが1925年に発表したモデルが実は世界初。この「5320」に特徴的な横並びの曜日と月表示や、指針式の日付表示とムーンフェイズ表示との組み合わせについては、1940年代から60年代にかけての永久カレンダー搭載モデルでパテック フィリップが確立した典型的なダイアルレイアウトを継承している。
愛好家たちを間違いなく魅了する両モデルの絶妙なデザインはしかし、懐古趣味ではなく、狙いはあくまでも現代的に解釈した新しいヴィンテージスタイルの創出にある。そこには次世代へとつないでゆく物語がすでに準備されているのだ。
パテック フィリップの詳しい情報はこちら!
問い合わせ=パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109
※背景のイラスト:アドリアン・フィリップ”keyless winding systems”より。
文=菅原茂 写真=近藤正一
(ENGINE8月号)
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