2022.07.17

LIFESTYLE

びっくりするくらい低予算テイストはそのまま! アカデミー賞監督がリメイクしたフランス版『カメラを止めるな!』

主演はフランス映画界の実力派、ロマン・デュリス。

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2018年にまさかの大ヒットを記録した日本映画『カメラを止めるな!』が、『キャメラを止めるな!』としてフランスでリメイクされた。超一流のスタッフ、キャストが参加しているが、内容も豪華に変わったのか?

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カンヌを爆笑の渦に……。

僅か300万円の製作費で、32億円の興行収入を稼ぎだした上田慎一郎監督による2018年の日本映画『カメラを止めるな!』。ゾンビ映画を撮影中のクルーに本物のゾンビたちが襲いかかるホラー映画と思わせておいて、実はそんなゾンビ映画を作っているスタッフや俳優の奮闘ぶりを描いたコメディだったという二段構えの構成に、度肝を抜かれた観客は多かったことだろう。

だが、その作品がフランスで一流のスタッフや俳優によりリメイクされ、今年のカンヌ国際映画祭のオープニングを飾ろうとは、誰が想像しただろうか?

監督は2011年の『アーティスト』で米アカデミー賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウス。役者も仏セザール賞に6度もノミネートされているロマン・デュリスや、カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞しているベレニス・ベジョなど、フランス映画界の実力派が顔を揃えている。

で、あれば当然、映画の内容も豪華にスケールアップ? と、思いきや否。物語はほとんどオリジナルに忠実で、低予算映画の雰囲気もびっくりするくらいそのままである。

カンヌ国際映画祭のオープニング上映では観客を爆笑の渦に巻き込んだ本作。言語は変わっても
しっかり笑わせるツボを押さえていて、しかもオリジナルで全編を貫いていた映画愛も失われていない。

『アーティスト』では、1920年代のハリウッドを舞台にした物語でサイレント映画へのオマージュを捧げたアザナヴィシウス監督。そんな監督にとって、製作現場における映画人の苦労、そして気概を描いた『カメラを止めるな!』の物語は、自らリメイクしてみたい魅力的な素材だったのだろう。




『キャメラを止めるな!』112分。配給:ギャガ。全国公開中

(C) 2021 - GETAWAY FILMS - LA CLASSE AMERICAINE - SK GLOBAL ENTERTAINMENT- FRANCE 2 CINEMA - GAGA CORPORATION

文=永野正雄(本誌)

(ENGINE2022年8月号)

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