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2022.08.21

CARS

いま買うなら、これでしょう！　550万円以下の予算で手に入る万能SUVのオススメ3台／スバル・アウトバック、DS 4、ボルボXC40

森口将之

万能SUVのオススメ3台／スバル・アウトバック、DS 4、ボルボXC40

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ついに到来したインフレ時代。すでにじわじわと値上がりしている輸入車だが、今後は国産車だって値上げを余儀なくされるに違いない。そんな時代だからこそ「価格を超えた価値ある楽しさ」があるクルマに乗りたい。そこで予算550万円以下で買える「ひと味違う」おすすめグルマを自動車評論家の森口将之が探してみた。550万円の予算で手に入れられるのは、心躍るスポーツカーばかりにあらず。日々の生活から週末の趣味の世界まで幅広くカバーしつつ、しかもとびっきり個性的なスタイリングを持つ、ハッチバックやSUVだって手に入るのだ。

三車三様のカーライフが思い浮かぶ

バラバラに見える3台かもしれない。でも今回のテーマをいただいて、自身のライフスタイルを反映できる明確な個性を持ちつつ、移動体としての快適性へのこだわりを考えると、この3台に行き着いた。



DS4にはアヴァンギャルドなフレンチ・ファッションが似合いそうだし、XC40はやはり北欧家具に囲まれた暮らしが連想できる。レガシィ・アウトバックは日本車ではあるけれど、思い浮かぶのはメインマーケットである北米のアウトドアでのアクティビティだ。

もちろんスポーツカーとの生活もりっぱなライフスタイルになるだろう。でもそれはクルマ中心の考えではないだろうか。多くの読者はそれ以外の趣味を持っているはず。個々が持つ世界をベースにクルマを選ぶというシーンも多いはずだ。

一方で、すでにスポーツカーを持つ人が今回のテーマを渡されたら、こういうチョイスになるような気もする。自分の場合もそれに似ていて、操る歓びはモーターサイクルに任せているので、クルマはこういう路線に行き着くのである。

まず乗ったのは日本に上陸したてのDS 4。選んだのは1.2リッター直列3気筒ガソリンターボ・エンジンを積む上級グレードのリヴォリだ。DS4にはほかに、1.5リッター直列4気筒ディーゼル・ターボ、1.6リッター4気筒ガソリン・ターボとモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッドのE-テンスがある。最高価格のE-テンスで550万円を少しオーバーするというプライスレンジだ。



DSの本拠地でもあるパリで開催された第37回国際自動車フェスティバルで、もっとも美しいクルマに選ばれたその姿は、オーセンティックな美形とは対照的だ。エッジの効いた線や面を多用していて、思い浮かぶのはやはりアヴァンギャルドという言葉。数あるプレミアムCセグメントの中でも、もっとも先鋭的なスタイリングといっても間違いはないだろう。

インテリアもまた尖っている。インパネ中央に並ぶシルバーのスイッチでエアコン・ルーバーを隠したり、パワーウインドウのスイッチをインパネからドアトリムに降りていくシルバーのモールの中に配したり、日本人では思いつかないような驚きのディテールがちりばめてある。

SUV比率が高い最近のニューモデルでは、背が低めであることもDS 4の特徴。それを意識しているのだろう、フロント・シートはDSブランドとしてはスポーティなデザインで、着座位置も低めだが、優しく体を包み込むような着座感は、まさにフランス生まれだ。



1.2リッター3気筒ターボは130ps／23.5kgmにすぎないが、唯一の前輪駆動ということもあって車重が1420kgに抑えられているうえに、8段ATがいい仕事をしてくれるので、十分な加速をもたらしてくれる。大排気量多気筒が正義だった昔の高級車とは違う、今のプレミアム・ブランドらしさも伝えてくる。

DS 4は今回の3台では車格がもっとも下でボディも軽い。でも乗り心地は素晴らしかった。XC40より20mm短いだけというロングホイールベースのおかげもあるだろうが、フロントガラスのカメラからの情報に基づき、4輪のショックアブソーバーの減衰力を電子制御するDSアクティブスキャンサスペンションが効いている。

かつてのシトロエンのハイドラクティブを思わせる、ゆったりした揺れ。逆にハンドリングに感動するようなキャラクターではないけれど、それを織り込んでもDS4を選びたくなる理由だと思った。

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