2022.09.15

CARS

いま買うなら、これでしょう! アンダー550万円のクルマ選び! 新車以上に楽しい、いま人気の"ちょっと古いクルマ"はお宝がザックザク!!

予算550万円以下で英国車の旧車を探す!

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50年代スポーツの代表格

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「今はトライアンフが一番狙い目かな? スタイルもいいし、丈夫で、部品も豊富にありますから」

と、坂田社長が紹介してくれたのは真っ赤な58年式のトライアンフTR3Aだった。TR3AといえばTR2の後継車として57年に登場した、MGAと並ぶ50年代ブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツの代表格というべき1台。ラダーフレームのシャシー、ウエストラインのえぐれたボディ、スタンダード・ヴァンガード譲りの2リッター直4OHVなど基本構造はTR2と変わらないが、ボディ一杯に広がった新デザインのグリルなど、内外装が若干モダナイズされているのが特徴だ。

TRIUMPH TR3A (1958)  520万円 オリジナリティが高く、適度にヤレた佇まいも好ましいTR3A。

「以前はトライアンフって、イギリスで綺麗なのが200万円台というイメージでしたが、最近はどんどん高騰していて、レストアしたばかりの極上モノは1000万円近くするようになりました」

そうした状況にあって、取材車は希少な右ハンドル仕様、しかもハードトップもついて520万円というプライスは掘り出し物だ。

「これはコロナでイギリスに行けなくなった時に、現地のオークションで仕入れたものです。決して極上ではないけれど、ボディや機関はしっかりしているし、普通に乗って楽しめると思います。今はポンドも不安定で、輸送賃も高いので、この値段で見つけてくるのは難しくなってしまった。それでもビッグ・ヒーレーに比べたらまだ手頃だし、当時の英国のスポーツカーらしさは十分以上に味わえますからね」

確かに完全に仕上がった極上車は魅力的だが、資料やパーツを集めながらコツコツと好みに仕上げていく楽しみ方も悪くない。

当初は北米輸出が優先されたため、TR3Aがイギリスで販売されたのは58年になってから。それでも大半が北米仕様だったため右ハンドル仕様は貴重だ。

通好みの1台

ちなみにACマインズという屋号は、ミニの生みの親であるアレック・イシゴニス博士と、ロータスの創始者であるコーリン・チャップマンの頭文字に由来するそうだが、そのイシゴニス博士が設計したもう1つの偉大な実用車が48年デビューのモーリス・マイナーである。

取材車は荷室を飾るウッドフレームが印象的なトラヴェラーで“人とは違う”通好みのモデルをお探しの方にはうってつけの1台。イギリスでレストアしたものを輸入し、坂田社長の奥様が乗っていたものだそうで、内外装、オリジナリティ共に素晴らしい状態だった。日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、71年までに160万台が製造されたロングセラーだけあって、現存台数も多く、パーツも豊富。また構造がシンプルで信頼性も高いので、ベテランはもちろん“初めてのクラシック”としてもオススメといえる。

MORRIS MINOR 1000 TRAVELLER (1967) 280万円 1948年から70年まで製造されたモーリス・マイナーに52年に追加されたエステート・バージョン。

一方ACマインズの“C”の方であるロータスも、初代エリート、エランといったモデル以外ならまだ見つけることはできる。その筆頭株が67年に登場したエラン+2だ。

「これは130psのビッグバルブ・ユニットと5速MTを積む最後期モデルの+2S 130/5です。綺麗なエランは800万円以上しますが、+2はそこまで高騰していませんからね」

この他にも同社にはロータス・セブンSr3や、ヒストリック・フォーミュラ・フォードのタイタンMk6があったように、英国のクラシックならスポーツカーから、実用車、レーシングカーまでかなり幅広い選択肢の中から選ぶことができると坂田社長はいう。アンダー550万円の使い道としては、なんとも夢の広がる話ではないだろうか!

文=藤原よしお 写真=望月浩彦 取材協力=AC MINDS & Co.,

(ENGINE2022年8月号)
※情報は雑誌『エンジン』掲載時のものです。

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