2022.08.23

LIFESTYLE

懐石料理と家庭料理のいいところどり!? 優しい美味しさに心も体もしみじみと満たされる神楽坂『KOMB』

先付け「とうもろこしの冷たい茶碗蒸し」

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東京・神楽坂の路地裏にこの春オープンした『KOMB』。茶懐石の名店で修業を積んだ、季節感あふれる店主の料理を、肩肘張らない空間の中で楽しむ。

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器づかいにも注目

「当店の料理は懐石と家庭料理の中間ぐらいの、食べて安心感のある料理です」。そう語る「KOMB」の店主・原田アンナベル聖子さんは、和の器が好きで和食の道を選んだ料理人。実家が和菓子店だったため幼い頃から茶の湯の世界が身近にあり、茶懐石の名店「懐石小室」での修業を経て独立した。そのため、月替わりのおまかせコースのベースには「季節のものを味わう」という茶懐石の考え方があり、夏はとうもろこしや加茂茄子、鮎といった旬の食材をふんだんに使う。



食材との対話を重ねつつ、季節の移ろいを細やかに受け止めて作られた料理は、心も体もしみじみと満たされる美味しさだ。焼き茄子と新生姜の煮物椀には茄子の蒔絵のお椀を用いるなど、季節感あふれる器づかいも原田さんの得意とするところ。こうした要素を備えつつ、茶懐石の形式にはこだわらないのが「KOMB」の特徴。

トチノキのカウンターが伸びるモダンな店内には、肩肘張らずに過ごせる空気が漂っている。季節の美味に癒しを求めて、ふと足を運びたくなる和食店だ。

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章





(ENGINE2022年9・10月号)

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