エンジン編集部員が連載でお伝えするシトロエン・エグザンティアのレストア・リポート!
全ての画像を見る
エンジン編集部員のウエダが2021年6月、シトロエン・エグザンティアをヤフー・オークションで購入。走行距離が約16万km、価格は7万円で、しかも見た目は傷だらけのクルマながら、板金塗装代50万円、部品代70万円、工賃80万円、計200万円を投じて仕上げることに……。8回目のリポートは、オールペイントのための分解作業について。外せるモノはどんどん外し、掃除するようやくラッピング・フィルムが剥がされると、続いて4枚のドア内張を取り外し、さらにサイド・ミラー、前フェンダーのサイド・ウインカー、Bピラーに付くトリム、ショルダー・ライン上のドア・シール・モール、リア・ドア後端の三角形のトリム、そしてサイド・プロテクターが取り除かれた。同時に、隙間に25年間積もりに積もっていた土埃を丁寧に掃除していく。
続いてルーフ・アンテナを脱着するためガラス・ルーフのモーターをいったん外し、前後ライト・ユニット、インナー・フェンダー、ワイパー・アームとリンク、バルクヘッド・カバーも分離された。
フロント・バンパーは大きく隙間の開いた、仮留めの状態にしておく。いっぽうボロボロだったリア・バンパーはこの時点で修復不能と判断して破棄し、中古品を手配した。そしてこのままの状態でカークラフトから運び出し、外注の専門業者に板金と塗装を依頼している。なぜここまで分解し、清掃をしてから板金塗装を依頼するのかといえば、その方が無駄がないからだ。点検するにはある程度分解する必要があるし、バラしておけば、それだけ外注業者の手間が減り、コストが抑えられる。
考えてみれば外した部品を管理するのには人手も場所も要る。脱着にも組み付けにも、クルマによっては特殊なノウハウが必要なことも多い。実際、エグザンティアのBピラーの樹脂のトリムは、奥行きの短い細い特殊なリベットで止められており、外すのはドリルでもめばOKだったが、カークラフトではリベッターを削って加工した専用工具をわざわざ造り、取り付けたという。できうる限りペイントの邪魔になるものを最初から全部外して保管しておけば、板金塗装はずっと楽になるし、その分手を抜かれることも減るという。貴重な、もう2度と新品では手に入らないような部品を、脱着の際に壊されたり、なくされてしまうようなことも避けられる。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら