2022.09.17

CARS

新型シビック・タイプRはシフトチェンジしたくなる究極のフィールを実現した

だけでなく世界を見回しても貴重な存在になりつつある前輪駆動のホットハッチの雄、ホンダ・シビック・タイプR。タイプRとしては6代目になる新型も歴代モデル同様、トランスミッションは6段MTのみの設定となる。

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スポーツ・ドライビングの楽しみのひとつ

デュアルクラッチ式自動MT=DCTなど進化した自動変速や2ペダル式トランスミッションの台頭により、性能面におけるMTのアドバンテージはなくなりつつある。とはいえ、クラッチ・ペダルを踏み、シフト・レバーを操作するという一連の動作はスポーツ・ドライビングの楽しみのひとつ。そこでホンダは「シフトチェンジしたくてたまらなくなる」究極のシフトフィールを目指した。



スムーズ感と節度感、剛性の3つを向上

シフトフィールを、ホンダはダイレクト感、クイック感、スッキリ感の3つに分類。それらを構築する要素はストローク、操作荷重、スムーズ感、吸い込み感、節度感、剛性の6つあるとしている。新型ではこのなかの先代で不足があったスムーズ感と節度感、剛性の3つの向上を図った。

スムーズ感の向上に寄与するのが、シフト・リンク機構とシフト・ゲートの形状最適化だ。シフト・ゲートは5→4速など斜め方向の変速が円滑に行えるようにゲートの角のRの形状を見直し、レバーがストレートに動く部分を延長。これにより、操作のスッキリ感が高められた。

またレバー構造を新規設計し、シフト・レバーの高剛性化と横方向のガタつきを排除。ダイレクト感をさらに磨き上げた。いっぽうでクイック感をもたらすストロークや操作荷重は、満足いくレベルだった先代のそれを踏襲している。



レブマッチ・システムも進化

合わせて、自動ブリッピングを行うレブマッチ・システムは、エンジン回転数差が最大となる2→1速にも適用させることで全段で作動することになった。「スポーツ」、「+R」の各走行モードではよりダイレクトかつスピーディ、「コンフォート」モードではよりショックの少ない回転合わせを行う制御を行う。

クラッチではフライホイールの軽量化を徹底。外周部の薄肉化とリング・ギア内径部の拡大で、重量は18%、慣性モーメントは25%低減している。これにより、ブリッピングのレスポンスが、先代より10%高まったという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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