2022.10.24

CARS

ヤフオク7万円25年オチのシトロエン、ヘッドライトが暗くてこのままでは車検に通らない!?(後篇)【シトロエン・エグザンティア(1996年型)エンジン編集部員の長期リポート#10】

エンジン編集部員が隔週連載でお伝えするシトロエン・エグザンティアの修理奮闘記!

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少数派、右ハンドルゆえの問題

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結局見つからなかった部品は、海外に捜索範囲を広げた。国内になかった部品もあることはあるが、部品の精度や性能面のリスクはやはりあるし、万が一の際の返品には手間も時間もかかる。その上リポート車両が右ハンドルということが、捜索をより困難にさせた。右ハンドルのエグザンティアは世界的に見れば、英国など一部地域を除き圧倒的な少数派であり、そのため残っている部品も少ないのだ。

4台目のエグザンティアを手に入れる際に、最後まで躊躇したのもこのハンドルの位置問題だった。右ハンドルのエグザンティアは、ホイールハウスを避けるため中央寄りになっているペダルのせいで、やや身体をねじっているような姿勢を強いられる。フットレストも狭く小さい。それに比べると左ハンドルのドライビング・ポジションはずっと自然なので、手にれるならぜひ左ハンドルを……とずっと思っていたのだが、結局ご縁がなかった。噂では左ハンドルの初期型エグザンティアの売買物件は、マニア筋からは常にロックオンされているのだとか。

話がそれたが、エグザンティアの2リットルSOHCユニットとZF製の4段オートマチック・トランスミッションは、同時代のプジョーなどでも多用していたから、エンジン・シリンダーヘッドやオートマチック・トランスミッションのオーバーホール・キットなども、すぐに手に入ると思っていた。しかし、なんとこちらも国内では欠品。結局この2つは東欧リトアニアから輸入された。

手に入れた右側通行用のヘッドライト。内部のH1規格のバルブもロービーム、ハイビームともに交換した。

ヘッドライトが暗くては、車検に通らない!


完全に内部のリフレクターがくすんでしまい、光量が足らなくなっていたヘッドライト・ユニットも、海外から入手した部品の1つだ。ここをなんとかしないと、車検に受からない!

すでにご報告の通りステー部分も割れており、交換は必須だったが、左側通行に適合したユニットがどうしても見つからず、あえて右側通行用を手に入れた。新旧2つのヘッドライト・ガラスとユニットをそれぞれ分離させ、左側通行用のガラス部と右側通行用のユニット部を、手間暇かけてニコイチにしたのである。新品のヘッドライト・ガラスを割って破壊するのはとても躊躇したが、どうやっても取り外せず、仕方がないことと諦めた。

ちなみにガラスを使わず、すべてが樹脂製で、外側が紫外線で曇りがちな近年のヘッドライト・ユニットだと、この手は使えないから磨くかしかないし、内部はLEDなどが組み込まれているから、買おうとすると非常に高価だ。ちょっと旧いクルマは、確かに手間はかかる。それでも、まだまだなんとかこうやって人の手で直せるところが、いいのである。

こうして各地から集結したパーツたちは、一つ一つ動作を確認した上で、綺麗に仕上がったエグザンティアへ順次組み付けられていった。次回はその模様と、続いて着手した内装の分解作業についてもリポートする。

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は213万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明/カークラフト

(ENGINE WEBオリジナル)

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ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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