2023.01.08

CARS

ノーズからコーナーに吸い込まれる感覚は鳥肌もの! ロータス最後の内燃エンジン・スポーツカー、エミーラにサーキットで試乗! 撮り下ろし生画像も必見!

ロータス・エミーラ

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エヴォーラの後継であり、最後の内燃エンジン搭載となるロータスの2座ミドシップ・スポーツカー、エミーラがついに上陸。モータージャーナリストの桂伸一がサーキットでテストした。

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驚くほど軽いドア


新世代のロータス・デザインを纏ったエミーラに初試乗。雨が落ちてきてウエット路面となったのは残念だが、幸いステージは袖ヶ浦フォレスト・レースウェイなので、速度を気にする必要はない。



写真などで見るエミーラは着太りするのか、キャビンやリア・フェンダー付近がいい意味でグラマラス、言い方を変えればムチッとして見える。しかし自然光の下で眺めると、むしろ引き締まったアスリート系のコンパクト・グラマーだ。低いフロント・ノーズから一筆書きでフロント・ウインドウ~ルーフ~リア・ウインドウ~スポイラーへ至る面の1つ1つが美しく、後ろから見下ろすと、特にクールなことを再認識する。

フラッシュサーフェスされたドア・ノブを押込むとラッチが外れ、サイズからすると驚くほど軽いドアが開く。低い床と着座位置の低いシートによる、いかにもスポーツカー然としたポジションが実現されている。室内は内張りやカーペットの類が光り物(アルミ)を覆い、これがロータスお約束のバスタブ構造であることを忘れさせる。エヴォーラとは開口部が違うせいか乗降性は優秀で、スムーズに身体が滑り込ませられる。

先代にあたるエヴォーラに比べ一回り大きいが、ホイールベースは2575mmで共通。


車内中央には横長のタッチ・ディスプレイがあり、その下にはカチッとした機械的な手応えのシフトノブが。ここはいかにもロータス流。その手前のミサイル発射ボタンのようなものは、カバー付きの始動ボタンだ。ロータスらしからぬお洒落な演出にニンマリする。

あっさりエンスト!


クラッチミートすると回転が低かったせいか、あっさりエンスト。駆動系にどこにも柔な逃げのないダイレクト感は、ミドシップ・カーの最重要項目だ。



エンジンはエヴォーラでお馴染みのトヨタ製3.5リッター V6スーパーチャージド・ユニットを車体中央に載せる。変速機は6段ATと6段MTが選べ、試乗車は後者だ。走行モードは標準のツアー/スポーツ/トラックの3つ。基本6500rpmがレブリミットだが、スポーツ以上のモードは、引っ張れば6800rpm付近まで回っていく。



音色はV6としては素晴らしい。快適な室内で聞いても、それなりのボリュームに感じる。さらなる驚きはそのレスポンスで、右足がアクセレレーターに触った瞬間、ワッとフケあがる。同様にブレーキも、タッチの瞬間からオーバーシュート気味で制動が立ち上がる。せっかくの6段MTだけにヒール&トウで減速とギヤのセレクトを流れるように行ないたいところだが、操作系が過敏過ぎてスムーズにいかないのはロータスらしからぬところだ。

だがハンドリングは違う。中立が明快な直進安定性を備えつつ、ステアリング操作の速度と舵角に正確に応答し、ゴーカートのようにノーズからコーナーに吸い込まれる。車重は1405kgあるが、いかにも低重心な感覚が伝わってくる。濡れた最終コーナーを若干テールが滑りながら旋回して立ち上がり、ストレート・エンドでは155km/hに達したが、なにせ0-100km/h加速は4.3秒、最高速288km/hという実力の持ち主。この場で発揮できたのは半分程度か。遅れて追加のAMG製過給2リッターともども、さらなる試乗の機会に期待したい!

文=桂 伸一 写真=エルシーアイ



(ENGINE2023年1月号)

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