2023.01.29

CARS

0-200km/h加速8.3秒の数値に偽りなし! マクラーレン・アルトゥーラで富士スピードウェイを走った!!

マクラーレン・アルトゥーラ

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先月の公道試乗に続いてアルトゥーラをサーキットで試乗する機会が得られた。残念ながら、先導車付きで直線もコーナーも全開というわけにはいかなかったが、マクラーレン最新のハイブリッド・スポーツの真価の片鱗を見ることはできた。エンジン編集部の新井がリポートする。

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あっという間に200km/h

3周のみで、しかも先導車付きという条件で行われた今回のサーキット試乗会。早速、マクラーレン独特の跳ね上げ式ドアを上げてシートに収まる。新設計の一体型シェルを持つシートはこれまでのマクラーレン同様、フィット感が抜群だ。センター・コンソールのスタート・ボタンを押すと、全面液晶のメーターはスタンバイしたことを示すものの無音のまま。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のアルトゥーラは初期設定が電動走行に特化した「Eモード」のため、すぐにエンジンは掛からないのだ。

新しさを盛り込みつつ、どこから見ても紛うことなきマクラーレンに仕立てられた外観。

Eモードのままスタート。モーターだけで95ps/225Nmもあるから、制限速度60km/hのピットロードを走るのは造作ない。電動走行は最長で31km可能だから、なんとなれば今回与えられた3周すべてをモーターのみで走ることも可能なのだ。

本コースに出て、走行モードを「スポーツ」に切り替えるとV6ツインターボが始動。低中回転域のエンジンの応答はモーターを持たない既存のマクラーレンV8よりいい。これまでのV8がドーンと背中を押すような加速をするのに対し、アルトゥーラはスルスルと速度が高まっていく感じ。もちろん、扱いやすさではアルトゥーラの方が上だ。

インパネも進化。メーターをステアリングの上下調整に連動させることで視認性をアップさせた。

ストレートでフル加速を試してみるが、システム総出力680ps/720Nmの威力を発揮し、あっという間に指示された速度制限200km/hに到達してしまった。0-200km/h加速8.3秒の数値に偽りなしだ。その段階でもクルマは余裕しゃくしゃくだから最高速の330km/hは伊達ではないだろう。エンジンは最高出力を発生する7500rpmまで綺麗に気持ちよく吹け上がり、その間のパワー感も申し分ない。

1コーナーでは200km/hからのブレーキング。カーボン・ディスクにフロント6ポッド、リア4ポッドのキャリパーを持つブレーキは姿勢を乱すことなく鋭い加速に匹敵するような制動力で速度をみるみるうちに落としていく。ブレーキのタッチもこれまでのマクラーレンのそれで、ハイブリッド特有のタッチの甘さは感じられなかった。

一体型シェルのクラブスポーツ・シートはリクライニング機構を持たないがスライドと高さ調整だけでベストな運転姿勢が得られる。

コーナリングでも非凡な面を見せてくれた。アルトゥーラにとっては朝飯前みたいな速度域での走行だったとはいえ、ステアリングの切り始めから出口まで神経質なところがなくコーナーに思い切って飛び込んでいける。興味深いのは出口に向けてアクセレレーターを開け始めてからの挙動だ。マクラーレン初の電子制御ディファレンシャルと新開発したマルチリンク式リア・サスペンションの相乗効果なのだろう、後輪はクルマをしっかりと前へ進めつつも、ステアリングを切っているかのように旋回をアシストしている。コーナーでの安定感と速さはこの賢い後輪によるところが大きいはずだ。

今回はアルトゥーラが持つ能力の一部しか垣間見られなかったものの、サーキットでも十分乗り手を楽しませてくれるクルマであることは感じ取れた。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=マクラーレン・オートモーティブ



(ENGINE2023年1月号)

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