2023.01.25

CARS

荒々しさなど微塵も見せずに速い! 320馬力のフォルクスワーゲン・ゴルフの最速最強モデル「R」を箱根で試す!!

フォルクスワーゲン・ゴルフの最速最強モデル「R」

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GRカローラや新型シビック・タイプRの登場により、にわかに盛り上がりつつあるCセグメント・ホットハッチ市場。その元祖と言えるゴルフも負けるものかと、新しい「R」を投入してきた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

上質なプレミアム・ゴルフ

VW各車に「R」が本当に必要なのか、という思いはどうしても頭をよぎるが、実際に乗るとほかのモデルよりも高性能であるだけでなく明らかに上質で、納得せざるを得ない。2022年10月に国内導入された8代目ゴルフの「R」もやはりそうだった。かつてのR32のようなスパルタンな硬派モデルというよりも、いまでは高性能だが上質なプレミアム・ゴルフと捉えるのが正しいのだろう。



エンジンは従来通りの2.0リッター直4直噴ターボで、320psと420Nmを発生するが、この数値はティグアンRと同じで、先代のゴルフRに比べて10psと20Nm強力になっている。変速機はデュアルクラッチ式7段自動MTのDSG、4モーションと称する電子制御システムで100:0~50:50に駆動力を配分する4WDであることも従来通りだが、左右のリア・アクスルにそれぞれ多板クラッチを備え、左右後輪間のトルク配分も制御する「Rパフォーマンス・トルクベクタリング」なるシステムを搭載、可変ダンパーのDCCや電子制御デフロックのXDSとともに統合制御されるという。0-100km/h加速は4. 7秒。ボディ・サイズはスタンダードモデルと変わらないが、車高が15mmだけ低められており、AMGのような開口部の大きなバンパーと4本出しのエグゾーストを備える。



ドライビング・プロファイルと称するドライブ・モードはコンフォート/スポーツ/カスタムに加えてレースが設定されており、そのレース・モードはほかのRモデル同様ステアリング・ホイール上のボタンで呼び出すことができるが、相変わらずタッチ・スイッチは使いづらく、ミスタッチすることも多くてあまり当てにならない感じだ。ナビゲーションやエアコンなどの操作も含め、VWは今最もじれったいコントロールを採用していると思うのだが、世の中の多くの人はこれで不満がないのだろうかと不思議である。



万能のスーパー・ゴルフ

さすがに様々な電子制御システムを備えるだけあって、山道で意図的にパワーをかけてもどこ吹く風といった風情でまったく安定して速い。しかも姿勢安定制御機能はいかにも“ブレーキつまんでます”といった不自然な挙動を見せない。荒々しさなど微塵も見せずにイージーに速いのが現代のRである。乗り心地もやはり他のゴルフより一枚上手な印象。レース・モードにすればそれなりにハードな反応を示すが、路面状態に応じてモードを選べばビシッと締まった頑健な脚まわりがむしろ頼もしい。

こりゃ万能のスーパー・ゴルフだなと認めながら、それにしてもと思うのはやはり639.8万円の車両価格である。従来型は500万円台半ばだったから、仕方ないことだがやはり一気に上昇した。Rとはいえ、「ゴルフでもう600、いやもう700万円かぁ」と暮らし向きが一向に良くならない一般人はジッと手を見る。なぜなら電子制御ダンパーのDCCパッケージはRでさえも22万円のオプション装備となる。これを外した仕様を注文する人がいるとは思えないから(そもそも注文できるのだろうか?)、つまり価格は660万円からと考えていたほうがいい。初代や2代目のGTIと同じように、高性能ゴルフは庶民には高嶺の花になってしまったと諦めるしかないのだろうか。

文=高平高輝 写真=茂呂幸正



(ENGINE2023年2・3月号)

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