2023.01.11

CARS

ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナのハイブリッド車で最強モデルはどれだ

2022年に揃ってフルモデルチェンジを果たしたトヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナ。同じ「5ナンバー・サイズ・ミニバン」に属しながら、デザインをはじめ、スペックや装備など似て非なる部分も多い。というわけで、この3モデルについて比較してみようというのが今回の企画。3回目はハイブリッドのパワートレインについて比べてみた。

すべてハイブリッド車とガソリン車を設定

トヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナともにパワートレインにハイブリッドを設定するが、その内容はけっこう異なっている。



ノア/ヴォクシーはハイブリッド4WDを初採用

ノア/ヴォクシーのハイブリッドは「トヨタシリーズパラレルハイブリッド」と呼ばれるシリーズ・パラレル式。遊星ギアを用いることでエンジンと2基のモーター(4WDは3基)をシームレスで自在に操るシステムだ。機構自体は旧来と似ているが、エンジンは先代と同じミラー・サイクル(トヨタはアトキンソン・サイクルと呼ぶ)を取り入れた1.8リッター直4自然吸気を搭載する。ノア/ヴォクシーとしては初めて、また3モデルの中で唯一の4WDを加えたのが大きなトピック。後輪はリア・アクスルに搭載された専用モーターで駆動する。



セレナは排気量を200cc拡大

ステップの「e:HEV」もシリーズ・ハイブリッド式だが、基本はエンジンと発電用モーターで電気を作りつつ、駆動用モーターで走るシリーズ式だが、エンジンの方が効率の良い高速巡行時などはモーター主体で走るパラレル式となる。ミラー・サイクル(ホンダはアトキンソン・サイクルと呼ぶ)を持つ2.0リッター直4自然吸気エンジンは新型シビックのe:HEVよりもひと世代前の先代ステップワゴンから継続したユニットを用いている。

セレナの「eパワー」はシリーズ式。駆動力はすべて駆動用モーターでまかなわれ、エンジンは駆動に一切関与しない。エンジンが先代同様にミラー・サイクルの直3自然吸気だが、排気量が1.2リッターから1.4リッターへ拡大され、駆動用モーターの出力もアップされている。



3モデルの出力値を比べる

3モデルのハイブリッド・パワートレインの出力は以下の通り。
<ノア/ヴォクシー>
98ps/142Nm(エンジン)
95ps/185Nm(前モーター)
140ps(システム総合出力)
41ps/84Nm(後モーター)

<ステップワゴン>
145ps/175Nm(エンジン)
184ps/315Nm(モーター)

<セレナ>
98ps/123Nm(エンジン)
163ps/315Nm(モーター)



ステップワゴンが最強

駆動力を表す数値はノア/ヴォクシーがシステム総合出力、ステップワゴンとセレナがモーター。なお、ステップワゴンについてはエンジン走行中にモーターのアシストもあるため、2つ合わせて300ps超という可能性があるものの、エンジンで走るのはあくまでも効率向上が目的なので、そういう状況にはならないはずだ。

最高出力は高い順に、ステップワゴン、セレナ、ノア/ヴォクシー。最大トルクはノア/ヴォクシーが未発表のため想像の域を出ないが、最高出力同様にエンジンとモーターの合算値の7割強と考えると、ステップワゴンとセレナが同値でその下にノア/ヴォクシーとなる。



160kg以上軽いノア/ヴォクシー

ただし、車両重量はノア/ヴォクシーが1630kg~、セレナが1790kg~、ステップワゴンが1810kg~といったように、ノア/ヴォクシーが圧倒的に軽い。馬力当たりの車両重量、いわゆるパワー・ウェイト・レシオは順位こそ入れ替わらないものの、その差はかなり縮まる。

WLTCの燃費はノア/ヴォクシーが23.0〜23.4km/リッター、ステップワゴンが19.5〜20.0km/リッター、セレナが18.4〜20.6km/リッターとなっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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