2023.02.01

CARS

何度でも参加したい! サーキット走行に向けた、実践的なドライビング・レッスンを体験してきた

エンジン編集部ムラヤマが、サーキット走行を見据えた本格的なドライビング・レッスンを体験参加。従来のエンジン・ドライビング・レッスンとの違いに戸惑いつつも、その充実ぶりには大満足。あまりに良かったから、エンジン読者の皆さんにも『エンジン・レーシング・レッスン』として、今年から開講することになりました。参加者募集中です!!

advertisement


サーキット走行に向けたレッスンに行かないか?


ある日、編集部から「富士スピードウェイで開催されるドライビング・スクールに行かないか?」という誘いを受けた。レーシング・ドライバーの澤圭太選手が主宰するワンスマというスクールの、広場を使ったトレーニングだ。今までこのようなレッスンは、筑波サーキットでの『エンジン・ドライビング・レッスン』しか参加したことがなかった私は、当然、興味津々。レッスン用のクルマの用意もあり、これを体験させてもらえると聞いたので、2022年9月4日、富士のP7駐車場に喜び勇んで向かった。

長期リポート中のトヨタ・GR86で会場に到着すると、そこに用意されていたレッスン用のクルマも、GR86だった。これは、ワンスマが連携しているHC SHARINGというサーキット専用車のシェアリングサービスが提供しているクルマだ。月3300円の会員費を支払った上で、走行するごとにその内容に応じた整備費用を支払うことで借りることができる。



エンジン・ドライビング・レッスンとは別物だった!

会場にはシェアリング利用者とマイカー参加者が6名ずつ、合計12人が集まっていた。長年筑波サーキットで開催しているエンジン・ドライビング・レッスンは、毎回30人近くの方が集まる。それに比べると、人数がずっと少ないことにまず驚いた。このレッスンは、最大でも16人までという少人数であることが特徴なのだという。そうすることで、一人ひとりに対して、よりじっくりときめ細やかな指導ができるようになっている。

違いは他にもある。エンジン・ドライビング・レッスンは、愛車との対話を深めて自由自在に操れるようにすることで、日常の運転からスポーツ・ドライビングまで使える運転のコツを掴むことを目的としている。一方でワンスマのレッスンの主軸は、
レーシング・コースを速く、安全に走ることを目的にした、より本格的なものであるということだ。

レッスンは、座学を何度か挟みながら走行する形式で行われる。コーナーの走り方を考えるときには、出口の理想の立ち上がりの状態から遡って組み立てることが重要だと、まず冒頭の講義で教わる。アクセレレーター・オン、ブレーキの終わりと始まりの位置、それぞれの時点でのクルマの向きを逆算するのだ。



実車に乗り込むと、フル・スロットルの状態からフル・ブレーキングで目標位置に停止する“串刺しブレーキ”の練習から始まった。すべての動作の基本である加減速を思い通りにできるようにするためだ。

続いてオーバルを走り始めると、思い通りに走れず、とても苦労した。今まで参加していたエンジン・ドライビング・レッスンで練習するオーバルと今回のそれは、まったく異なるものだったからだ。

筑波のレッスンでは、4つのタイヤにかかる荷重を均し、満遍なくグリップを引き出すことを目指す。つまり、コーナーのパイロンに対してインベタのラインを通りながら、理想の姿勢を保つことが求められる。

それに対して今回は、レーシング・コースを走る時と同じように、クリッピング・ポイントに置かれたパイロンに向かって大きくアウト側から進入するラインを通るものだった。入口で内側に近づきすぎてしまう癖があった私は、この走らせ方に慣れるのに時間がかかった。



落ち着いてスライドを体験

理想的なライン取りで走れるようになってくると、速度を上げる指示が出る。同じラインで曲がるためには前輪だけでなく後輪も使って曲げる必要がある。操舵機構がついていない後輪を曲げる、つまり少し滑らせるということ。そのためには、きっかけとしてブレーキングによる荷重変化を積極的に起こす必要がある。これも筑波ではなかったものだ。

進入速度を上げていくと、ついに後輪が流れ始めた。この時の鮮明な感覚は今でも忘れられない。こんなにも落ち着いていられるテール・スライドを経験したのは初めてだったからだ。動きが穏やかだと感じたのは、十分に広い駐車場だからクルマをぶつける心配がほとんど無いという精神的な余裕があるのはもちろん、以前所有し、振り回していたマツダ・ロードスター(NB型)よりホイールベースが長いからだろう。それでいて、GR86のボディはしっかりしているから、クルマの動きはよりビビッドに伝わってきてわかりやすい。とにかく、スライドしはじめてからのコントロール性が抜群なのが印象的だった。

午後は、2つのオーバルを繋げてアレンジした複合コースを走る。様々な曲率のコーナーが繋がっていて、直線区間がほとんど無いから難易度が一気に上がる。筑波のレッスンはショートコースを走れることも魅力の一つだけれど、それに引けを取らないくらい走り甲斐があって面白いコースだ。

コースが複雑になっても考え方は同じ。午前の練習を思い出し、テール・スライドを引き起こす。あとはアクセレレーターの操作によってスライド量をコントロールしながら、ステアリングを少しずつ戻していくように丁寧に操作した。そうして上手くコーナーを駆け抜けることができたときは、大きな達成感を味わえた。




わずか一日の練習だったけれど、今までよりもずっとタイヤの状況を身体で感じて、思い通りに操れるようになった気がする。サーキット走行デビューを目指す人の第一歩にも、久しぶりにスポーツ走行をしたい人のリハビリにも、さらには、走り慣れている人のステップ・アップにも、大きな力になること間違いナシの充実したプログラムだった。

エンジン・レーシング・レッスン初開講!

そこで、エンジンの読者にも、より実践的なレーシング・ドライビングを学びたいという人のためのスペシャル・レッスンを、今年から新たに開講することになりました。内容は、ワンスマ『広場トレーニング』を基本に、エンジン読者の皆さんに向けて特別にアレンジしたプログラム。それが『エンジン・レーシング・レッスン』です。記念すべき第一回は、2月19日(日)。

7月17日開催 第2回『エンジン・レーシング・レッスン』のお申し込みはこちら

チーフ・インストラクターは同じくレーシング・ドライバーの澤圭太さん。プロドライバーとして20年以上、公式戦を200戦以上戦ってきた超ベテランで、ル・マン24時間レースへの参戦経験もあり、市街地レースとして有名なマカオ・グランプリでは、GTレースで2度の優勝を飾っています。

ご自身の愛車での参加はもちろん、GR86のレンタルもご用意しています。通常は、月額3300円のHC SHARING会員になる必要がありますが、エンジン・レーシング・レッスンでは、レッスンの時だけ借りることができるのも魅力です。

みなさんの参加を、お待ちしています!

文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=池之平昌信



(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement