2024.02.07

CARS

農具小屋がスポーツカーのガレージに大変身! マクラーレン720SスパイダーとアルピーヌA110Sアセンション、2台のスポーツカーに出会ったオーナーの人生も大変身!!

アルピーヌA110アセンションとマクラーレン720とオーナーの向井さん。

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これがアドレナリンか!

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そんな向井さんの趣味の世界を一変させたのがコロナ禍だった。

「どこかに行かないとできない趣味でしょ。お金持ちの皆さんが旅行に行けないから、クルマを買おう、時計を買おうという気持ちがよくわかります。そんな時に友達に誘われてマクラーレンを見に行ったんです。うわ~カッコいいと一目惚れでしたね。スパイダーだし、白と黒という色も良かった。スーパーカーなんて2度と買わないかもしれないから行っておこうと即決しました」

720Sスパイダーはオープンカーならではの開放感はもとより、ドアの中にインテークが備わるなど徹底した空力コンシャスなデザインもお気に入りのポイント。「ブレーキ・ペダルは踏力が必要で、サーキットに行くと足がパンパンになりますが(笑)、後方視界はいいし運転しやすい。初心者でも乗れるスーパーカーですよ」


そしてこの内外装に多数のカーボンパーツをあしらったオプションのカーボンファイバー・エクステリア・アップグレード・パックを装着した720Sスパイダーを買ったことが、向井さんに新たな趣味の世界を切り開くこととなった。

「21年の2月頃に納車されて、5月に富士スピードウェイでトラックデイがあるからって、グランツーリスモでサーキットを覚えて行きましたよ。実は以前、中古のポルシェ991カレラを買ってドライビング・レッスンに通ったことがあったのですが、怖くて友達に売っちゃったんです。でもマクラーレンで走ったらめちゃくちゃ面白い。同じ富士でも全然違う。僕でも楽しめる。これがアドレナリンか! って思いましたね」

それからというもの、鈴鹿サーキット、岡山国際サーキットと、機会があれば積極的にサーキット走行に出向くようになったという向井さん。いつしかそのためにレーシング・スーツやヘルメットも新調し、ガレージのリノベーションにあわせて作ったプライベートルームには、本格的なドライビング・シミュレーターDRiVe-Xを設置し、トレーニングに興じるまでになった。

また向井さんが日々DRiVe-Xでトレーニングを積むプライベート・ルームは、遮音もしっかりとしている(クロスはサンゲツとコラボのランボルギーニ製!)うえに、屋根裏にストレージも完備するなど機能的な設計となっていた。いずれにしろ部屋の中から2台の愛車を眺めるのは、至福の時間に違いない。


「シミュレーターなら怪我しないので、大阪の心斎橋にあるお店に行って教えてもらったりしながら、練習しています」

さらにマクラーレンを通じて、様々な交友関係が広がるとともに、最近では現代アートなど、趣味の世界もさらに広がっているそうだ。


ずっと持っていたい

こうしたマクラーレンとの生活で、サーキット走行の面白さにのめり込んでいくうちに、こういう想いも出てくるようになったという。

「マクラーレンは速すぎるけど、すごく安定している。カーボンモノコックだから万が一の時も安全ではありますが、昔のGT500より直線が速いですからね。こんなのでいつまでも走っていたら危ない。もう少し身の丈で楽しめるものが欲しい……と思っていたところで出会ったのがこれでした」

それがもう1台の愛車、アルピーヌA110Sアセンションだ。

日本市場ではわずか30台限定で販売されたA110Sアセンション。足まわりはシャシー・スポール、カーボン製のリア・スポイラー、ミシュラン・パイロットスポーツ カップ2を履いた鍛造ホイール、カーボン・ルーフ、サベルト製モノコック・バケットシートなど、サーキットを走るための装備をインストールした、まさに向井さんにうってつけの1台だ。


「マクラーレンは奥目というか。ライトの中に手が入ってしまうようなデザインが面白いけど、A110は初代と似ていて目がいいんですよ。4灯のね。僕は元々クルマはプラモデルから入ったんです。タミヤの年間カタログに色々なクルマの模型が載っていて。マクラーレンの存在もそこで知り、セナの時代には海外まで観戦に出かけました。そういう意味ではA110もモンテカルロのラリーカーに憧れたプラモデルの印象が強く残っているんですよね」

7月には入荷していたものの、ガレージの完成を待って納車してもらったというA110の走行距離はまだ2800kmほど。しかし、取材の前日に鈴鹿サーキット南コースを走るなど、早速楽しんでいる様子だ。

「タイヤも重量も違うけど、僕にはこのくらいがちょうどいい。実はフェラーリ・ローマをオーダーしてあって、マクラーレンと入れ替える予定なのですが、A110に関してはずっと持っていてもいいかな? と思っています」

この2台のほかに、普段使いのメルセデス・ベンツGクラス、さらに北海道のセカンド・ハウスにアウディQ5、沖縄のセカンド・ハウスにラングラー・アンリミテッドを置いているという向井さん。それぞれのシチュエーションに最適なクルマとの生活には、これからもさらなる化学反応が期待できそうだ。

文=藤原よしお 写真=望月浩彦

(ENGINE2023年2・3月号)

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