2023.07.20

CARS

仕事も遊びもカングーです! 自転車の楽しさを伝えるバイク・ショップ、I.D.E.STOREのオーナー・井手勝さん 5台は余裕でいけます!

ルノー・カングーとバイクショップ、I.D.E.STOREのオーナーの井手さん。

全ての画像を見る
約1年前に手に入れた2代目ルノー・カングーの前期型。大好きな自転車を積載して、仲間たちとキャンプ・ツーリングへ──。遊びでも(商用でも)自転車を積載するオーナーに魅力を訊いた。

advertisement


バイク・ショップ、I.D.E.STORE


ここは神奈川県相模原市にある中津川河川敷キャンプ場。月曜の朝にもかかわらず、テントを張って楽しんでいる人がなんと多いことか! 週末でもないのに大小さまざまなテントが並ぶのを見ると、今、世の中がキャンプ・ブームにあることをリアルに実感できる。

そんな河川敷で朝のコーヒー・タイムを愉しんでいるのは、東京・中野でバイクショップを営む井手勝さんだ。

「自宅のある本厚木からこの河川敷まで車で15分ほど。最近は忙しさにかまけて、ひとり自転車に乗る機会は少なくなってきましたが、この相模原あたりは丹沢山や相模湖も近く、アウトドアを楽しむのには最高の環境です!」と井手さんは言う。

ショップで取り扱うのは、舗装路や砂利道、山道も走れる、人気のグラベルバイクをはじめ、街乗りのクロスバイク、マウンテンバイクなど、幅広い。新車やフレームの販売をメインにカスタムやレストアにも対応する。いわゆるママチャリは基本的に扱わないマニアックなショップに見えるが、近所の子どもや奥様方がパンクの修理などでも訪れる。人々から頼られるショップだ。

「もともと学生時代にマウンテンバイクの世界にどっぷりとハマり、いつしか、通っていた店で働きはじめ、いつの間にか店長となって働いていた店が閉店することになったのを機に、自分のショップを構えたのは20年以上前のこと」なのだそう。

井手さんのショップ、I.D.E.STORE。住所:東京都中野区大和町1-58-4(※最寄り駅は高円寺駅で北口から徒歩7分)。営業時間:12:00~20:00。定休日:月曜。


店内には完成を待つフレームなどが所せましと吊り下げられている。営業中はついついお客さんとの話に盛りあがってしまい、遅くなることもしばしばだそう。店内にはフレーム、パーツ、アクセサリーだけでなく、キャンプグッズなども揃っている。これからキャンプ・ツーリングを始めてみたいビギナーにもオススメしたいショップだ。

そのショップを見習うように完成した井手さんのショップには取材の打ち合わせ中も、たくさんの人が訪れる。柔和な井手さんの人柄に集まってくるのだろう。

遊ぶためのクルマ

「社会人になってはじめて買ったクルマはMINIのカントリーマンでした。選んだのは大好きなMINIで、かつ自転車が積めるから。それから(8年間乗った)シボレーのシェビーバンをはじめ、フォルクスワーゲンのT3ヴァナゴンを丸目と角目で2台。ときおりMINIクーパーやゴルフIIGTIに乗ったりもしましたが、僕のクルマ選びの基本は、なによりも自転車が積めることが前提。もちろん、自転車で遊びに行くためです」

このカングーを手に入れたのは、約1年前のこと。ショップの常連さんから格安で譲り受けたのだそうだ。以来、毎日1時間の通勤をカングーと共にしている。



「手に入れたときは8万km、そしていま11万km。1年で3万kmも乗りました。運転が好きなのでMTなのもいい。なにより驚いたのは、荷室の広いこと! 電動のママチャリをバラさずに、そのまま載せることができるのには驚きました」

ときには本来の商用車として配送に活躍する井手さんのカングー。だが、それ以上に、自転車遊びに大活躍しているのだ。

「最近はキャンプ・ブームから派生してキャンプ・ツーリングも人気になってきた。キャンプ・ギアや食材をふんだんに運べるオートキャンプとはひと味違って、自転車に積めるギアは限られるけれど、その制約の中でキャンプを愉しむのもまたいい」

いかにもルノーらしい、シンプルなデザインのインパネ。シフトレバーはセンターコンソール上に配されている。井手さんのカングーは5速MTモデルだ。


都心のショップ(東京・中野や高円寺周辺)の客は、多摩川や荒川などのサイクリングロードに行くだけでも環七や環八など交通量が多い道路を通らないといけない。

「大型トラックが往来する道路は危ないし、走っていてもぜんぜん楽しくない。ならば自転車を車に積んで、遊ぶ場所に車でワープできるのが理想的ですよね」

自転車の魅力をもっと!

たしかに、このカングーのように遊べる(自転車を積める)クルマがあると、自転車のある生活が、より豊かになるのだ。

「今日の撮影のために選んで積んできた自転車は2台。まず1台は米国ミネアポリスを拠点とするメーカー“オールシティ”のフレーム。これは僕の日常用に組んだもの。そして、もう1台は14インチのタイヤを履いたルノー・ブランドの折りたたみ自転車。大小2台の自転車でも十分な余裕がある。実際、このカングーの荷室なら、前輪をはずせば5台は余裕で積める。いや、前後輪をはずせばもっと積めそうかな」

井手さんの愛車はALL-CITY(オールシティ)のツーリング・バイク。フロントがシングル、リアが10速仕様という、今人気のスタイル。街乗りには十分すぎるスペックだ。フィンランドのペラーゴ製のキャリアで荷物も十分に積めるのがいい。


井手さんがカングーで遊ぶのにちょうどいいと思うのは、仲間ふたりと3台の自転車とギアを積んでのキャンプ・ツーリング。自転車もキャンプも愉しめるが、キャンプ・ツーリングはちょっとハードルが高いと思う自転車ビギナーにはコンパクトに折りたためる小径車がオススメなのだそうだ。

「コンパクトで保管もしやすく、手ごろな価格の自転車。それをカスタムして乗るのも面白い。車に1台積んでおくと楽しみが広がります。たとえば旅先やキャンプ場で、自転車があると、とても便利ですよね」。

ルノー・ブランドの小径車『プラチナライト6』。14インチタイヤの小ぶりなモデルだが、これを積んでおくだけで、便利。太いタイヤやブレーキをカスタム。シングルギアなのでメンテナンスも簡単だ。


じつはカングーを手に入れるよりすこし前に、ルノー・ブランドの14インチの折りたたみ自転車に興味を持って、より乗りやすいようにカスタムしてみたのだという。

遊びのナビゲーター

昨年10月、山中湖で開催されたルノー カングー ジャンボリーにこの小径車を連れていったところ、多くのカングー・ファンに話しかけられたという。

「カングーを譲り受けたくらいのタイミングで輸入元から薦められて。タイヤを太く、ブレーキやサドルなども使いやすいものにカスタムして乗ってみると、小径車なのに、じつによく走る。カングーを置いている駐車場から店までの移動が徒歩10分。その移動にもちょうどいい。カングーにルノー・ブランドの小径車を積むのは、ちょっとベタすぎるかもしれないけれど(笑)、とにかく便利」なのだそう。

かつてはマウンテンバイクを駆ってダウンヒルをガンガン走っていた井手さん。だが、歳を重ねるとともに、自転車の楽しみ方や考え方も変わってきたという。

「むかし自分が遊びに連れていってもらったように、お客さんと一緒に遊んで“自転車の楽しさ”を伝えるのも自分の役割かもしれない」

カングーは遊びのベースキャンプ、井手さんは遊びのナビゲーターなのだ。そんなオトナたちが、いまのニッポンにはもっと必要だ。

文=小林尚史(ENGINE編集部) 写真=岡村昌宏

(ENGINE2023年5月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement