2023.04.16

CARS

トヨタ・シエンタ、ミニ・クロスオーバー、日欧2台の"遊び勝手"をチェック! 自動車評論家の清水草一が趣味の自転車で遊んでみた!!【後篇】

清水草一が愛車の折りたたみ自転車、ジャイアントMR4Fを積んで、ジムニー、シエンタ、ミニ・クロスオーバーの「遊び度」をチェック!

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ジムニー、シエンタ、ミニ・クロスオーバー、国産車2台と輸入車1台の、いわゆるちょっとユル可愛い見た目のクルマたち3台の使い勝手ならぬ「遊び勝手」をモータージャーナリストの清水草一が趣味の自転車でチェック。前篇のジムニーに続いて、今回はシエンタとミニ・クロスオーバーで遊んでみた。◆前篇のジムニーから読む場合はこちらから!

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何を隠そう先代シエンタの元オーナー

ジムニーに続いて今回はシエンタだ。何を隠そう私は先代シエンタの元オーナー。シエンタを選んだ理由はいろいろあるが、その1つがサイクリングだった。当時は3台の折り畳み自転車を積み、家族3人で出かける機会が多く、コンパクトでパッケージング性に優れ、デザインはシトロエンっぽく前衛的で、走りも悪くないシエンタは、我が家のファミリーカーに最適と思ったのである。エンジンは1.5リッターのガソリンを選んだ。今回取材した現行シエンタも、1.5リッター・ガソリンだ。

シエンタの美点は、なによりもデザインとパッケージングにある。先代は前述のように和製シトロエン風だったが、現行は和製フィアット+和製ルノー÷2という雰囲気があり(私見です)、オシャレでかわいらしい。「〇〇〇に似すぎている」という声もあるが、現物を見ると、パッケージングがまったく違うので、まるで違って見える。今回は2列シート仕様だったが、3列シートモデルの3列目床下ダイブイン格納機構は、欧州勢にはマネのできない、日本ならではの折り畳み文化だ。

テストに参加したシエンタは5シーターの“Z”というグレード。パワートレインは内燃機のみとハイブリッドの2種類で、さらに格納式の3列目シートのある7シーターを選べば後輪をモーター駆動する4WD仕様も選択できる。

ラゲッジの広さは今回の3台の中では圧倒的だ。なにしろ私自身、先代シエンタに3人+3台の折り畳み自転車を搭載して、ドライブに出ていたのだから。分割可倒式の2列目シートを半分倒せば、先代も現行も乗車人数&人数分の折り畳み自転車の搭載可能数は、余裕で「3」をクリアする。自転車が1台だけなら、2列目シートを倒す必要もなく、そのままラゲッジに立てて積載できる。

トヨタ入魂の3気筒1.5リッターエンジンは、軽快に回ってトルクもパワーも十分。先代の4気筒と比べたらモノが違う。新型の3気筒のほうが、トルク特性も回転フィールもはるかに良く、コンパクトカーを元気に走らせる楽しみが味わえる。遮音性が低いので音も元気だが、そこはラテンのノリだと理解したい。

私が乗っていた先代シエンタの1.5リッターガソリン・モデルは、アクセル・セッティングが過敏すぎ、どれだけ丁寧に発進しても、毎回首がガックンとなった。それが嫌で半年で手放したが、新型はまったく問題なし。ペダルのコントロール性は良好だ。シャシーはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)。驚くほどしっかりしている。

シートを倒せば清水氏の愛機も楽々積載可能。本文中にある通り、立てて積載すれば3台は十分運ぶことができる。開口部が低く、積み下ろしがし易いのも美点。

新型シエンタは、カーマニア的に見ても確実にいいクルマであり、自転車に限らず、いろいろなものを積んで使い倒すのに最適な「和製カングー」の最有力候補かもしれない。ただ、走りの質感にこだわるなら、ハイブリッド・モデルがおすすめだ。そちらなら、低燃費チャレンジという高等な遊びも楽しめる。

ミニ・クロスオーバーにはテーマパーク感がある

最後はミニ・クロスオーバーだ。ミニ(3ドア/5ドア)のラゲッジに余裕はないが、クロスオーバーはぐっと広く、ごく普通のクルマ並みの容量(405リッター)がある。後席を立てたままだとラゲッジ形状が立方体に近いので我が愛機を積むことはできないが、後席を前に倒せば、ラゲッジ容量は一気に3倍強に増え、積載は楽勝となった。毛布などのクッションを使えば、あと1台、同じタイプの自転車が積めるだろう。

試乗したミニ・クロスオーバーは“UNTAMED EDITION”という特別仕様車で、PHEVであるクーパーSEのほか、ディーゼルのクーパーD、クーパーD ALL4、クーパーSD ALL4でも選択が可能。

今回試したのはPHEVモデル。エンジンは1.5リッター直列3気筒ガソリン・ターボで、6段ATを介し前輪を駆動する。さらにモーターが後輪を駆動。「ALL4」の名前通り、システム全体で4WDとなるメカニズムだ。

BMWミニらしく、走りの質感は高い。いわゆるゴーカートフィーリングを最低限残しつつ、快適な乗り心地を実現している。2つのパワーユニットを積むPHEVだけに、走行モードの変更で走りのイメージをガラリと変えることもできる。モードは「グリーン」「ミッド」「スポーツ」の3種。グリーンがエコ寄りでスポーツがよりファンな制御だ。スポーツでは、エンジンは常にかなり高めの回転を維持し、そこにモーターのパワーも加わって、走りは活発すぎるほど活発になる。バッテリーの使い方にも3つのモードがある。ほぼEV走行の「マックスeドライブ」から、バランスのいい「オートeドライブ」、そしてバッテリー容量を維持する「セーブ」。都合3×3の9通りが選べるわけで、これをちょこちょこと変えながら走るだけで、かなり遊ぶことができる。

4:2:4の分割可倒式の後席を倒した際の荷室容量は1390リッターで、清水氏の愛機も余裕で飲み込む。ジムニー同様、上下に重ねればもう1台は余裕で搭載することができるだろう。

クロスオーバーPHEVは、インテリアの質感も他の2台とはステージが違う。ミニらしいテーマパーク感もあり、乗るだけで、遊びに行く感が濃厚だ。そこに自転車が加われば、鬼に金棒だろう。

ジムニーとシエンタ、そしてミニ・クロスオーバーは、かなり性格を異にするクルマで、スペースユーティリティもかなり違うが、クルマで遊ぶにはもってこいの3台だ。そこに自転車が加われば、遊びの行動半径は、劇的に広がるはずである。

文=清水草一 写真=阿部昌也

■トヨタ・シエンタZ
駆動方式 フロント横置きエンジン前輪駆動
全長×全幅×全高 4260×1695×1695mm
ホイールベース 2750mm
車両重量 1280kg
エンジン形式 水冷直列3気筒DOHC
排気量 1490cc
最高出力 120ps/6600rpm
最大トルク 145Nm/4800~5200rpm
トランスミッション CVT
サスペンション(前) マクファーソンストラット+コイル
       (後) トーションビーム+コイル
ブレーキ(前) 通気冷却式ディスク
    (後) ディスク
タイヤ(前後) 185/65R15
車両本体価格(税込) 252万円

■ミニ・クーパーSEクロスオーバーALL4
駆動方式 フロント横置きエンジン+リアモーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4315×1820×1595mm
ホイールベース 2670mm
車両重量 1770kg
エンジン形式 水冷直列3気筒DOHCターボ
排気量 1498cc
最高出力 136ps/4400rpm(システム総合出力224ps)
最大トルク 220Nm/1300-4300rpm(システム総合トルク385Nm)
トランスミッション 6段AT
サスペンション(前) マクファーソンストラット+コイル
       (後) マルチリンク+コイル
ブレーキ(前) 通気冷却式ディスク
    (後) ディスク
タイヤ(前後) 225/50R18
車両本体価格(税込) 549万円



(ENGINE2023年5月号)

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