2023.05.14

CARS

新車で買えるシトロエンの中で、これが昔のハイドロニューマチックに最も近い! シトロエンC5 Xのプラグイン・ハイブリッドに試乗 乗り味は予想以上!!

シトロエンC5 Xプラグイン・ハイブリッド

全ての画像を見る
導入が遅れていたシトロエンC5 Xのプラグイン・ハイブリッドに乗ることができた。パワートレインもさることながら、注目は電子制御サスペンション。開発に4年を費やしたその脚はシトロエン好きを唸らせる仕上がりを有していた。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

advertisement


ポイントは先進のサスペンション・システム!

2022年8月に日本上陸が発表され、ガソリン車については本誌でも試乗記をお届けしている、シトロエンの新しいフラッグシップC5 X。このほどプラグイン・ハイブリッドの試乗車も用意できたとのことなので、ドライブしてきた。



ハイブリッド・システムはガソリン車も積む1.6リッター直列4気筒ターボと8段ATのコンビにモーターをドッキングしたもので、プジョーやDS 4に搭載されているものに近い。WLTCモードではモーターだけで65km走れるという。

さらにプラグイン・ハイブリッドはサスペンションも違う。ガソリン車のプログレッシブ・ハイドローリック・クッションを電子制御した、シトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンションが初搭載された。本国のプレスリリースによれば、ESPセンサーのほか、4つのサスペンション垂直位置センサーと3つのホイールスピード・センサーがあり、縦方向と横方向の加速度、ヨー・レート、ステアリング・ホイール角度と回転速度、アクセル・ペダル位置、ブレーキ圧、車両荷重などを分析し、サスペンションをコントロールするという。



C5 Xプラグイン・ハイブリッドは単なる電動化車種ではないわけだが、それを考えると見た目は予想以上にさりげない。外観でハイブリッドを示すのはフロント・フェンダーのガーニッシュだけ。インテリアの仕立ては見たところガソリン車と共通だ。

1790kgの車両重量はガソリン車より270kg重いが、パワーユニットのシステム最高出力は225ps、最大トルクは360Nmなので、加速に不満はない。加えて静粛性も、エンジンを止めて走るシーンもあるわけで、明確にアップした。

ドライブ・モードはエレクトリック/コンフォート/ハイブリッド/スポーツの4段階。コンフォートとハイブリッドはパワートレインの制御が同じで、スポーツにするとエンジンの出番が多くなる。一方、アクティブ・サスペンションはスポーツ、エレクトリックとハイブリッド、コンフォートの順にソフトになる。

キャビンはガソリン車と同じで、厚みのある柔らかいフォームをおごったアドバンスト・コンフォート・シートを標準装備。

予想以上の成果

ガソリン車も乗り心地は今の新車としては異例にふんわりしていたが、揺れが残ることもあった。その点プラグイン・ハイブリッドは落ち着きが出た。重さのおかげもあるだろう。でも硬くなったわけではなく、ガソリン車以上に揺れの周期がゆったりしている。新車で買えるシトロエンおよびDSの中では、昔のハイドロニューマチックにもっとも近い。

とりわけ50km /h以上でも最高の乗り心地を届けることを目指したというコンフォート・モードはかつて愛車にしていたC5 Xの祖先、CXを思い浮かべたほど。極上という言葉がふさわしい。

それでいてハンドリングは、前後重量配分が前56:後44とイーブンに近づいたうえに、電子制御が状況に応じて脚を硬くしてくれることもあり、ガソリン車よりもスッと曲がっていける。

開発に4年もかけたというアクティブ・サスペンションの成果は、予想以上だった。単に快適にするだけでなく、昔の味を甦らせようという意志を感じるところが嬉しい。シトロエンがC5 Xで表現したかった世界はこれだったんだと思った。

文=森口将之 写真=望月浩彦



(ENGINE2023年6月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement