2023.09.08

CARS

ポルシェ911ターボの真実! 991フェイズIIに進化した911ターボはどんなクルマだったのか?【911誕生60周年記念『エンジン』蔵出しシリーズ#3】

911誕生60周年を記念して『エンジン』の過去のアーカイブから"蔵出し"記事を厳選してお送りするシリーズ。3回目の今回は、2016年4月号に掲載された南アフリカのキャラミ・サーキットを舞台に行われた991型フェイズIIとなったターボの国際試乗会のリポートをお送りする。

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パワーアップした新型ポルシェ911ターボに南アフリカで乗る!「素のターボに真価が表れている」

毎日使えるスーパースポーツ・キングの名をほしいままにしてきた911ターボ。カレラ系が過給エンジンを搭載する新シリーズへ移行したのを受け、911ターボも新型になった。晩夏の南半球は南アフリカで試乗の機会を得た。



リア・エンジンの911カレラ・シリーズが全面的にターボ過給エンジンに転じ、さらにはミドシップのボクスターまでもがターボ過給の、しかも4気筒を積んで718ボクスターとして登場したりと、ポルシェにはビッグ・ニュースが続いて、頭の固いこちらとしては、ついていくのにやっとといった感じの今日この頃。数千台規模のスーパー・スポーツカー専業メーカーならいざ知らず、スポーツカー系だけでも万単位の年産台数を誇り、世界中に熱心なファンを抱えるポルシェの一大変革ともなれば、皆が皆、スルッとそれを飲み込んでしまえるはずもない。

と思っていたら、今度は名実ともに旗艦の911ターボがモデルチェンジだ。ターボ過給エンジンに転じた新型911カレラはエンジン以外の多くの部分を先代のタイプ991型から引き継いだが、新しい911ターボは心臓たるエンジンも含めて先代から構成要素の大部分を引き継いで生まれたクルマだ。ポルシェは991フェイズIIターボという説明の仕方をしている。早い話が、ビッグ・マイナーチェンジである。


ポルシェ911ターボは、日常的に使うことのできる、こうしたカテゴリーのクルマとしては例外的なまでに実用的なスーパースポーツのキングとして、長い間、君臨してきた。

新型911ターボにはスポーツ・クロノ・パッケージが標準で備わる。

だからこそスーパースポーツを手がける名だたるライバルたちの格好の標的となって、挑戦はますます激しくなっている。世界的な燃費向上ヒステリーのなかでスポーツカー・メーカーも巨大な多気筒自然吸気エンジンをブン回してばかりもいられない状況に追い込まれて、ダウンサイジング・ターボ過給エンジンに次々と転じるとあっては、事の始まりから小排気量ターボ過給エンジンのパイオニアとしてすべてのライバルを実力で蹴散らしてきたポルシェといえども、実力をさらに引き上げる必要に迫られているのが現実だ。

そして、その答が、新型911ターボとターボSというわけである。

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