2024.01.15

CARS

アイシン製8段ATの変速マナーの良さは特筆モノ! 2010年デビューの2代目カイエンは、どんなポルシェだったのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ/911誕生60周年記念篇#13】

2代目ポルシェ・カイエン

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911誕生60周年を記念して『エンジン』の過去のアーカイブから"蔵出し"記事を厳選してお送りするシリーズ。13回目の今回は、2002年の初代デビューから8年、全面改変を受け、第2世代へと生まれ変わったカイエンを取り上げる。より高いハンドリング性能を実現する一方、環境性能にも気配りし、ポルシェ初のハイブリッド・モデルも登場。その走りを故郷ライプツィヒ工場を舞台に開かれた国際試乗会から報告した2010年7月号のリポートをお送りする。

「ハイブリッドも登場! 全面改変を受けたポルシェ・カイエンにドイツ・ライプツィヒで乗る オンロード志向、強まる」ENGINE 2010年7月号


のっけから結論めいた話で恐縮だが、新型カイエンの特徴をひとことで言えば、見た目も走りも格段にスポーティさを増して、2代目にして紛れもなくポルシェ一族の一員になった、ということに尽きる、と思う。


8年弱の間に27万台を売り上げるベストセラーとなった初代カイエンは、売れたからこそ誰も言わなくなってしまったが、そもそもポルシェらしからぬ巨魁ぶりと重量感を持った異端児だった。それはほかならぬポルシェ自身も感じていたはずで、今回の国際試乗会でもデザイナーが、「初代はSUVとしてのアピールを第一に考えたため頑強で安定感のあるキャラクターを作り上げたが、新型ではポルシェ一族のスポーツカーとしてのアピールを与えることができる状態になった」と明かしていた。

ホイールベースが40mm伸ばされて2895mmになったことで、室内空間は断然広くなった。Dピラーは旧型よりかなり寝ている。


彼の解説によれば、新型のデザインはポルシェのDNAが詰まった911を強く意識したものになっているという。たとえば、どこにエンジンがあるかをハッキリさせる膨らみを持ったエンジン・フード。その高さは低くおさえられ、エア・インテークはこれまでよりずっと低い位置に置かれている。サメを思わせるフロント・エンドもスポーティさを強調するものだ。サイド・ウィンドウのグラフィックは旧型と違い、うしろに引っ張られて、より薄くシャープになっている。リア・フェンダーにも、筋肉を思わせる膨らみがタップリつけられた。

その結果、実際にはボディ・サイズはやや大きくなっている(48mm長く11mmワイドで6mm高い)にもかかわらず、ジム通いでギュッと引き締まった肉体のようなシャープな印象になっているのだ。


一新されたインテリア。傾斜したセンター・コンソールはパナメーラとも共通するデザインだ。

インテリアのデザインも一新された。まずなによりも、旧型では中央にナビのカラー・ディスプレイ、その左に回転計というレイアウトだった5連メーターが、ポルシェ一族のスポーツカー同様、中央に大型の回転計を据えたものに改められた。センター・コンソールはパナメーラと同じ傾斜したデザインで、囲まれ感があるせいか、運転席につくと目線の高さは旧型と変わらないのに、スポーツカーのような雰囲気がある。

180kgの軽量化

中身も見た目同様、あるいはそれ以上にスポーツ志向を強めている。なにしろ、ルックスだけではなく、実際の車重についても、大幅に絞られているのだ。カイエンSを例にとれば、旧型比マイナス180kgにおよぶ。内訳はボディで111kg、シャシーで66kg、パワートレインで63kg、電気系統で10kgといった具合。足すと180kgを超えてしまうが、一方で約70kgの重量増もあったので、差し引き180kgになるらしい。

ボディではテールゲートやフェンダーをアルミにしたことが大きい。シャシーでもアルミや特殊な樹脂素材を、これまで以上に多く使っているという。興味深いのはパワートレインで、旧型が持っていたオフロードでの使用を想定した副変速機を排して33kgの減量を図っている。

電子制御技術が進み、副変速機がなくともオフロード性能は十分に確保できたというのがその理由だが、一方で、初代のユーザーを調査した結果、本格的なオフロード性能を求める人がほとんどいないのが判明したのだとか。双子車の新型VWトゥアレグが副変速機をオプションとして残しているのと比べても、新型カイエンがよりオンロード志向なのは明らかだ。

快適性とホールド性を両立したフロントのコンフォートシート。

実際、エンジニアの話では、開発にあたって掲げた3つの目標の第1は、ベスト・イン・クラスのオンロード性能の実現にあったという。第2に燃費性能の向上、第3に日常での使い勝手の向上と続くのだが、大幅な軽量化は、燃費性能の向上にも大いに貢献しているはずだ。

今回の試乗会では、旧型比15 ps増の400psを発揮する4.8リッターV8を積むカイエンSと、それにツイン・ターボ・ユニットを付加したカイエン・ターボ(500psで旧型と同じ)、さらには新たに加わったカイエンSハイブリッドに乗ることができたが、ハイブリッドはともかく、Sやターボもアイドル・ストップ機構のついた8段ATが装備されたこともあり、旧型比23%の燃費向上が図られていた。ちなみに1kmあたりのCO2排出量はSが245g(旧型比26%減)、ターボが270g (同25%減)。ハイブリッドは200gを切る193gとなっている。

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