フィアット・バルケッタ(1999年型)とオーナーの林さん
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フォーミュラのために近年、林さんの4輪車のラインナップは、2台のブラバムと普段の足であり、トレーラーを引いてサーキットに行くトランスポーターにもなっているスバル・フォレスターの3台だったが、今年になって新たにフィアット・バルケッタが加わることになった。
「レースの時だけMTって、すぐに体が動かないんですよ。普段から乗っていないとまずいなと思って、最初はスーパーセブンを探していたんです。ただ、フォーミュラと一緒の右シフトがいいと思っても、左ハンドルって中々売り物が出てこないんですよね」そこで視点を変え、クラシック・バイクのレースに出ようと、イタリアの名車、パリラの売り物を見つけたのだが、運悪くタッチの差で逃すこととなった。
「その“パリラ・ロス”をどこかで埋めなきゃって気持ちもあったのかな? ネットで“こんなのあるじゃん”って、バルケッタの存在に気づいて、一番良さそうなのを見に行って即決しました」林さんのバルケッタは、シルバーのセンターパネル、ウィンド・デフレクター、赤いレザーシート、専用15インチ・ホイールなどを装備した99年型に限定販売されたリミテッド・エディションというモデルだ。「走行距離は9万7000km。車検も去年12月まで残ってたし、これだけ距離が伸びているのは、ちゃんと動いていた証拠だから、逆に信用がおける。一応、買ってすぐにタイミングベルトとウォーターポンプを交換しましたが、特に問題なく快調ですよ。エアコンもこの前の暑い日につけてみたけど、しっかり効きましたね」
まだ手に入れてから日が浅いものの、週末のお散歩用として活躍しているバルケッタを林さんはいたく気に入っているという。「新車の時は特に意識していなかったけど、こんなに良いクルマだったんだ! って感じですね。このドアハンドルなんか、往年のアバルトを感じるでしょ。例えるなら、小中学校の時には全く気にしてなかった女の子に同窓会であったら、ものすごく綺麗で驚いたみたいな感じかな?」そう言って笑う林さんだが、さる4月に鈴鹿2&4のサポート・イベントとして行われたヒストリック・フォーミュラ・レジスターのデモレースでは、見事クラス・ポールポジションを獲得した。“すべてはフォーミュラのために”と買ったバルケッタの成果は、早速出ているようだ。
▶「ちょっと古いクルマが面白い!」の記事をもっと見る文=藤原よしお 写真=望月浩彦(ENGINE2023年7月号)
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