2023.06.24

CARS

あなたのちょっと古いクルマ見せてください! 「見た瞬間にやられたんです」 ランチア・イプシロンに乗るオーナーのイタフラ愛に思わずLOVE !

お洒落なランチア・イプシロン(2005年型)とオーナーの篠原さん。

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プジョー206の限定車をきっかけに欧州車の世界へと誘われた篠原信人さん。そんな彼が辿りついたのはちょっと古い、小さくお洒落なランチアだった。

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ベタシャコのスカイライン

18歳で免許を取り、10万円で譲り受けた5代目の日産スカイライン、通称“ジャパン”の2000GT ESターボが最初の愛車だった篠原信人さん(56)。以来7代目スカイライン、セドリック、ダットサン・ピックアップ、ブルーバード・オージーなど、主に日産車を乗り継いだ。

「ジャパンはね、リアのスプリングをリーフにして、ベタシャコにして乗り回しました。走るのは好きだし、そういうご時世だったからね」

当時を思い出し、彼は懐かしそうに目を細めて笑う。ベタシャコとはベタベタに低い車高のことである。

篠原信人さんのランチア・イプシロンは2代目で、読みは同じだが初代の“Y”から“Ypsilon”にスペルが変更になった最初の世代だ。

そんな篠原さんの転機になったのはプジョー206の“ローラン・ギャロス”だった。緑の外装色と、タンとグリーン・レザーのインテリアのお洒落な限定車だ。家族が新車で購入したのを見て「カタチがいいな、俺も乗ってみたいな」と思ったところから、本格的に輸入車の世界へ。手に入れたのは同じ206。ただし左ハンドルでMTの、とびっきりスポーティな“RC”のほうである。

「納車されて最初の信号からの発進で、いきなりホイールスピンをしてビックリ。車重が軽いのにパワーがあって、楽しいクルマでしたよ」

緑のローラン・ギャロスと白いRC、2台の206が家の前に並んだというわけだ。しかし5年ほどRCに乗って、そのちょっと手に負えないくらいの速さにふと疲れたのか、RCを預けている工房で見かけた初代ランチアYに乗り換える。

新車当時に輸入をしていたガレーヂ伊太利屋では1.3リッターディーゼルや2ペダルのシングル・クラッチ式自動MT仕様も扱っていたようだが、篠原さんのクルマは1.4リッターガソリン+MTという機械的にはベーシックな仕様。3連のセンター・メーターや、大ぶりでしっかりした仕立ての前後席などなど、小さな車体サイズからは想像できないセンスの良さと凝った造形が特徴。

「Yはね、もう見た瞬間にやられたんです。シートがグリーンのアルカンタラで、ダッシュボードも同じグリーンで仕上げてあって……」

なりは小さくとも、ローラン・ギャロスのセンスや質がいいという世界観と、いつでも元気よく走り回れるRCの俊敏さは、その後も彼のクルマ選びを常に誘っていく。

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