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お洒落なランチア・イプシロン（2005年型）とオーナーの篠原さん。

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好みのタイプは一途なまま

そして初代Yに乗りながら、家族のための初代シトロエン・ピカソの後期型や、2代目アウディA4の3.0クワトロも入手。だが子供が大きくなり、生活サイクルが変わったことをきっかけに2台持ちをやめ、気分を一新しようと決意。ところが選んだのは、2代目になったイプシロンだった。生活は変われど、趣味嗜好はなかなか変わらない。

「初代もいいけど、この2代目はカジュアルでも、スーツでもいける」

今の愛車のクリーム・ホワイトとタンレザーの組み合わせの妙に、篠原さんはぞっこんだ。確かに2代目はデザインこそ初代よりやや一般的になったが、ランチアらしい、スポーティでエレガントなところはむしろ色濃くなっている。クルマも人も、大人になったのである。

この2代目は購入時で11万kmもの距離を重ねていたが、歴代オーナーの熱意と主治医の工房の手厚い整備のおかげか16万kmを超えた今も絶好調。しかもこの世代のフィアット系小型車の鬼門の電動パワーステアリングを、初代Yから部品を移植し油圧式に改造済みだ。油圧式は電動式のようにアシストの強弱を切り替えられないが、代わりに壊れても急にノン・アシストにならないし、フィーリングもより自然だという。見た目は大人になったが、メカニズムは旧来の実績ある大人の味わい。いわば篠原号は初代Yと2代目イプシロンのいいとこ取りなのだ。

現状に不満はまったくないそうだが、たまたま取材当日、篠原さんは青い206RCに乗るオーナーと主治医の工房で遭遇。彼はRCをためつすがめつし、なかなか戻って来ようとしなかった。

「どうしよう、心が揺らぐね。白も良かったけど、この青、エーゲ・ブルーもいい。ランチアは2回乗ったし、RCにも2回乗るのかな（笑）」

いやはやここはぜひ、好みのタイプを貫き続けての2台持ち復活を、強くお勧めしたいところである。

文＝上田純一郎（ENGINE編集部）　写真＝岡村智明　撮影協力＝御代田町役場

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（ENGINE2023年7月号）

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