2023.01.02

CARS

5億円のボンド・カーから184億円のメルセデスまで 2022年高額車ランキング・ベスト5

半導体不足やコロナ、ウクライナ戦争による物価の上昇、さらに日本市場では円安による為替の影響も重なり、新車の値段が上がっている。しかし、高くなっているのは新車だけではない。近年加熱している投機目的や、来る電動化時代を前に今のうちに内燃機関を楽しんでおこうという気運により旧車の価格も高騰しているのだ。こちらの方が新車よりも上がり幅が大きく、一部には2倍、3倍はもちろんのこと、ひと桁上になってしまったモデルも存在する。ちょっと前まで数十万円の国産旧車が数百万円で売られているなんてことも珍しくないのだ。

2022年もそんな高額車に関するニュースが多数発信されている。そこで今回は2022年に「ENGINE WEB」の記事で取り上げた高額車のニュースを価格順にランク付けしてみた。もちろん、ENGINE WEBで取り上げなかった高額車も多数存在するので、あくまでも参考程度ということでお楽しみください。なお、換算価格はニュース当時のものを使用しています。

第5位 約4.7億円(275万ポンド)
アストン・マーティンDB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション

このクルマはアストン・マーティンが2020年にボンド・カーでお馴染みの2ドア・クーペ「DB5」の生産終了55周年を記念して25台製作した復刻モデル。ENGINE WEBでは2022年10月に日本初公開された際に取り上げた。実車化にあたってはオリジナルのDB5を3Dスキャンで採寸するなど、ボディをはじめ、エンジンや変速機などまでしっかり再現されているが、それだけでなく、開閉式ヘッドライトの裏から飛び出すマシンガンをはじめ、ゴールドフィンガー・コンティニュエーションの名が示す通り、映画『007』の第3作目『ゴールドフィンガー』の劇中車に盛り込まれていた特殊装備まで搭載しているのがポイント。唯一残念なのは、最新の法規に対応していないので、ナンバーが取得できないことだ。

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第4位 約4億9400万円(360万ドル)
ポルシェ911サリー・スペシャル

ポルシェがピクサー・アニメーション・スタジオとともに製作したワンオフ・モデル。映画『カーズ』のキャラクター、サリー・カレラをイメージしたモデルで、劇中のサリーは996型911がモチーフだったが、実車は992型の現行911カレラGTSで製作されている。鮮やかなブルーのボディはもちろんサリー・カレラを再現したものだ。サリー・スペシャルは2022年8月のモントレー・カー・ウィーク期間中にRMサザビーが実施したモントレー・オークションに出品され、360万ドル(約4億9400万円)で落札。その収益の全額は女子を支援するアメリカの非営利団体であるガールズ・インクと、ウクライナ難民支援を行う国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のアメリカ支部へ寄付された。

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第3位 約4億9700万円(292.2万ポンド)
アストン・マーティンDB5レプリカ(劇中車)

第3位もアストン・マーティンDB5。こちらは2021年に公開された映画『007』シリーズの最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でスタントカーとして使われたレプリカ。8台製作されたうちの1台で、回転式ナンバー・プレートやヘッドライトのマシンガンなどのアイテムもそのまま備わる。アストン・マーティンがクリスティーズのチャリティー・オークションに出展し、292万2000ポンド(約4億9700万円)で落札された。収益は青少年や諜報部員、特殊部隊員などを支援する複数の基金へ寄付されている。

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第2位 約6億8000万円(500万ユーロ)
ブガッティ・シロンW16ミストラル

オークションに出品された旧車やワンオフ・モデルを抑えて、新車のスーパースポーツカーが第2位に入った。ブガッティ・シロンW16ミストラル。ワンオフ・モデルを除いたW16エンジンを積む最後のブガッティとして2022年のモントレー・カー・ウィークで発表されたシロン・ベースの限定車だ。クーペ・ボディのシロンとは異なりオープン・ボディのロードスターに仕立てたもので、フロント・マスクは2019年のジュネーブ・モーターショーでお披露目された「ブガッティ・ラ・ヴォアチュール・ノワール」風のデザインに変更されている。2024年から99台のみつくられる予定だ。

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第1位 184億円(1億3500万ユーロ)
メルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウト・クーペ

1位は「メルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウト・クーペ」。2022年5月5日にドイツ・シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ・ミュージアムにおいてRMサザビーズの運営で開催されたオークションで、自動車のオークションとしては過去最高額となる1億3500万ユーロ(約184億円)で落札されたのだ。ちなみに、これまでの最高額は2018年に約54億円を付けた1962年式フェラーリGTOとされている。300SLRウーレンハウト・クーペは1100台を超えるメルセデス・ベンツ・クラシック所有の非公開コレクションに保管されていたもので、1955年に2台のみ製作されたレース・カーのプロトタイプの内の1台。今回は脱炭素や資源保護を志す若き学生をグローバルに支援するための基金を創設するために放出された。

1台で184億円! Cクラスが3500台も買えるメルセデスを売却した理由とは



文=エンジン編集部

(ENGINE WEBオリジナル)

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