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2023.07.14

CARS

絶品の12気筒！「これで大自動車旅行ができたら、素敵だ！！」　フライングスパー・ハイブリッド、コンチネンタルGTスピードにイッキ乗り　【ベントレーの世界 後篇】

ENGINE編集部

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現代ベントレーの象徴

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村上　そして659psを誇るW12を積むコンチネンタルGTスピード。

大谷　W12すごく良くなったよね。



村上　僕は3台の中で圧倒的にGTスピードが良かった。12気筒はこんなに良いものなんだと。あの滑らかさといい、音の感じといい。これで大自動車旅行ができたら、素敵だと思うね。しかもイタリアン・デザインとは全然違う格好良さがある。イタリアのソフトスーツと、サヴィル・ローのスーツの違いみたいな。

藤原　このカッコよさは3代目になってからですよね。2代目まではマッシブな塊感が強かった。

大谷　つまりプラットフォームがMLBからMSBに変わったということ。それによってホイールの位置が変わって、必然的に格好良くなった。



村上　荒々しさとかを感じさせながらノーブルな感じも持っている。

大谷　荒々しさを感じるのはW12のスピードというのもありますね。

藤原　W12と4WDこそ、現代ベントレーのアイコンですから。

大谷　実はベントレーって今、全モデルが4WDなんですよ。世界中探して、これだけ4WD比率が高い自動車メーカーはない。それはグランドツーリングを考えた時に4WDには明らかなメリットがある、というロジカルな選択でもあったわけ。



藤原　あと特にスピードがいいのは、GTで初めて4WSが付いたことですよ。本当に良く曲がる。

大谷　シャシーもフライングスパーより明らかにピッチングもロールも大きくて。それがやっぱり何か古典的なスポーツドライビングのハンドリングの楽しさに繋がっていて、運転している実感を味わいやすかった。あとショート・ホイールベース感もすごくありました。

藤原　ロングノーズ＆ショートデッキのプロポーションも含めてですけど、お尻で曲がるFR感を強調してるのも3代目の特徴ですね。

大谷　4WDだけど、通常はリア駆動の設定になってますからね。



藤原　今回乗ってみて、やっぱり初代のコンセプトが飛び抜けていたんだなって思いました。それをやり続け、熟成した結果が今のコンチネンタルGT。そういう意味でも今のベントレーを語る上ですごく象徴的な存在だと思うな。アストンにもフェラーリにもない。ベントレーにしかない世界。

村上　骨太だよね。

大谷　W.O.時代のコンセプトを最新のテクノロジーで洗練した形にしたのが現在のベントレーです。

村上　でもW12はもうお終いなんでしょ？　貴重な経験だったな。

唯一無二の存在

村上　さて、ベントレーの世界。今日乗って改めてどう思いました。

大谷　一貫してるんですよ。もう100年前から。

村上　だから多分、10年後に電気自動車の時代になってもやっぱり同じことが繰り返されるわけですね。



藤原　もう1つ思うのは、フォルクスワーゲンの下での再生劇。何度もなくなりかけたブランドをここまでの形にした再生の手腕はすごい。

大谷　フォルクスワーゲンも懐が深かったし、加えてベントレーに元々それだけの価値があった。

藤原　クルーに残った人たちが、何たるかを分かってクルマを作っている。だからいきなりSUVを作っても、しっかりベントレーだったし、大成功して、今や屋台骨になってる。

村上　その最初が、コンチネンタルGTなわけね。

藤原　GTは02年のパリ・ショー発表。今年で発売から20周年！

村上　僕はやっぱりコンチネンタルGTが好きだなぁ。今日は改めてW12の素晴しさを再発見した。

藤原　わかりやすくカッコよく、わかりやすくエレガントで、わかりやすく迫力がある。

大谷　つまりベントレーのそういうキャラクターはもう唯一無二のもの。

村上　これならパリからローマまででも、パッと行けそうな気がするよ。

話す人＝大谷達也＋藤原よしお（まとめも）＋村上 政（ENGINE編集長）　写真＝柏田芳敬

■フライングスパー・ハイブリッド
駆動方式　エンジン・フロント縦置き全輪駆動＋電気モーター
全長×全幅×全高　5316×1990×1483mm
ホイールベース　3195mm
トレッド（前／後）　1670／1664mm
乾燥重量　2505kg
エンジン形式　V型6気筒DOHCツインターボ
排気量　2894cc
最高出力　544ps/5500-6500rpm
最大トルク　750Nm
トランスミッション　8速DCT
サスペンション（前）　ダブルウィッシュボーン／エアスプリング
サスペンション（後）　マルチリンク／エアスプリング
ブレーキ（前後）　ベンチレーテッドディスク
タイヤ（前／後）　265/45ZR20／295/40ZR20
車両本体価格　2636万7000円

■コンチネンタルGTスピード
駆動方式　エンジン・フロント縦置き全輪駆動
全長×全幅×全高　4880×1965×1405mm
ホイールベース　2850mm
トレッド（前／後）　1672／1664mm
乾燥重量　2273kg
エンジン形式　W型12気筒DOHCツインターボ
排気量　5950cc
最高出力　659ps/5000-6000rpm
最大トルク　900Nm/1500-5000rpm
トランスミッション　8速DCT
サスペンション（前）　ダブルウィッシュボーン／エアスプリング
サスペンション（後）　マルチリンク／エアスプリング
ブレーキ（前後）　ベンチレーテッドディスク
タイヤ（前／後）　275/35ZR22／315/30ZR22
車両本体価格　3659万7000円

（ENGINE2023年8月号）

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