2023.08.06

CARS

来年の発売まで待てない 300系と同サイズまで拡大したプラドの後継車「ランドクルーザー250」登場

トヨタがランドクルーザーのニューモデル、「ランドクルーザー250」を世界初公開した。従来の「プラド」に代わり、フラッグシップの「ランドクルーザー300」とヘヴィデューティ・モデルである「ランドクルーザー70」シリーズの間を埋めるモデルの最新世代だ。

開発キーワードは「原点回帰」

「原点回帰」をキーワードに開発されたランドクルーザー250。今回はプロトタイプとして発表されたが、市販仕様もほぼこのままの姿で登場するはずだ。



オフローダーっぽいボクシーなスタイリング

エクステリアは水平基調のボクシーなデザインを採用。多用された直線や平面はボディの見切りのよさを実現している。グレードによって使い分けられるのか、それとも任意に選択できるのかは現状では不明だが、フロント・マスクは丸型ヘッドライトを用いたランクル70風と、角型デザインを採用したランクル300風の2タイプを用意する。ちなみに、ヘッドライトはどちらも同じ構造なので交換することが可能だという。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4925×1980×1870mm。従来型のプラドと比べると全長が100mm、全幅が95mm、全高が20mm拡大している。ただし利便性に配慮し、左右のドア・ミラーまでの幅はプラドよりも狭められている。ホイールベースはランクル80から続く悪路走破性と居住性から弾き出したランドクルーザー伝統的な数値と言われる2850mm。なお、ランクル300は4950×1980×1870mm(ZXとGRスポーツを除く)、ホイールベースが2850mmだから、ほぼ同じサイズまで成長したのだ。

インテリアはプラドの高級志向から一転し、オフローダーらしい機能性を追求。車両の傾きが把握しやすい水平基調のダッシュボードや、悪路走行時も含むさまざまな環境下でも迷わずに操作できるスイッチ形状などを採用し、機能性向上を図った。



ラダー・フレーム+後輪リジッドを踏襲

プラットフォームは上位のランクル300と同じ独立したラダー・フレームを持つ「GA-F」を採用。ただし、250用にリサイズしたものではなく、フレームの板厚や補強材などを変更するなどの改良が施されている。なお従来のプラドよりも剛性はフレームで50%、車両全体で30%向上している。フロントがハイマウント・タイプのダブルウィッシュボーン式、リアが4リンク+ラテラル・アーム式のリジッドとなるサスペンションはオフロードにおけるタイヤの路面からの浮きづらさを高めている。

ステアリングは電動アシストとし、悪路でハンドルを取られにくくするとともに、スッキリした操舵フィールや低速時の取り回し性を高めている。また、これにより運転支援運転装置のレーントレーシング・アシストのも導入を可能にした。さらに、スイッチ操作でフロント・スタビライザーの断続を切り替えられる「SDM」をトヨタ・ブランドで初めて採用した。



日本仕様にハイブリッドは設定されず

パワートレインは仕向地によって多数の仕様を用意。日本向けには204ps/500Nmの2.8リッター直4ディーゼル・ターボ+8段ATと、163ps/246Nmの2.7リッター直4ガソリン+6段ATを設定。このほかに、北米と中国にはランドクルーザー初のハイブリッドとなる330ps/630Nmの2.4リッター直4ガソリン・ターボ+ハイブリッド、中近東や東欧などには281ps/430Nmの2.4ℓガソリン・ターボ、オーストラリアや西欧には日本仕様と同じ204ps/500Nmの2.8リッター直4ディーゼルに48V電源を用いたマイルド・ハイブリッドを投入する。

日本での発売は2024年前半で、導入時限定の特別仕様車となる「ファーストエディション」が設定される予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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