2023.11.02

CARS

還暦のオジさんも若者も、誰もが楽しめる「ドライビング・マシーンのマスターピース! by 渡辺敏史」 総合第2位はあのクルマ? 自動車評論家41人が選んだ「2023年いま買いたいクルマのランキング!」

4年連続の総合2位の凄さとは?

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雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。今年のテーマは原点に帰って僕たちクルマ好きの欲望を一番刺激するクルマ、愛することができるクルマは何かだ。41名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年はEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員も加わって、2023年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2023年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。41名中27名の選考委員と、36名中9名のEPC会員が票を投じ、国産車として堂々の1位! そして輸入車ひしめくランキングのなかにあって、2020年以来4年連続で2位の座に輝いたのはこのクルマだ!

第2位は、マツダ・ロードスター! 340pt

運転がうまくなる。

唯一無二。

出会えることで人生が変わる。

日本の宝。



……もう映画か通販の宣伝をみているかのごとく、皆さん惜しげもない美辞麗句を並べまくって称賛されているのがこのクルマ、マツダ・ロードスターだ。5年連続1位のA110も凄いが、4年連続2位のロードスターもただ事ではない。

そして印象的なのは、EPC会員の方々とジャーナリストの面々との評価の距離感や高低差が無に等しいことだ。このクルマの前なら、誰もが等間隔で同等の歓びを表現できる。そういう意味では、ビートルズとか大谷翔平とか、そういうところと同じ圧倒的立ち位置にいるのではないかとさえ思う。

投票者のロードスターへのコメントをAI風にカウントしてみると、まず一番多いのは「誰にでも」だ。エイジレス&ジェンダー・フリー。誰にでも似合い、楽しくドライブできる。そこを評価する声は編集部の塩澤さんや村上さん、EPCの0028さんを始め、皆々のコメントの行間からも激しく滲み出ていた。

次いでは「意のまま」だ。それをもって評価の高い日下部保雄さんや斎藤聡さんはベテランかつドライビングに一家言持つジャーナリスト。これを「走りの楽しさ」まで表現を広げれば、ほぼ全ての投票者がそれを挙げている。石井昌道さんや嶋田智之さんがいう、スピードではなく楽しさや一体感を追った姿勢は唯一無二という言葉は、敢えて先代よりも小さく遅いという道を選んだND型ロードスターの核心だが、言葉は違えど、皆々がその意図をしっかり嗅ぎ取っていたことが感じられた。

そして数多く、かつ印象深いのは「運転に向き合える」だ。裏返せば投票者の中に、姿かたちや内装云々などに言及した意見は殆どない。ロードスターをドライビング・マシーンのマスターピースとして捉えていることがよくわかる。

EPCの新美さんや佐久間さんが「軽いFRでドライビングの基礎を学べる」とするのと同じく、編集部の村山さんは「自分の運転に正面から向き合うことが出来る」という修行僧のような評価を述べているが、個人的にもまさにその通りだと思う。

入念にストレッチや素振りをやるアスリートにとっての姿見みたいなものといえばいいのだろうか。ロードスターは多かれ少なかれ各々の運転を映し出す鏡のようなところがあるわけだが、それを更にエンハンスするかのように明快なコントラストでみせたのが、わざわざスタビや補強パネルを抜いて入力を忠実に反映する方向へとセットアップしたグレード、Sや990Sだった。

この、わざわざな引き算の美学はNAからの歴史があってこそ成立するもので、ロードスターのファンはマツダの所業に賞賛を送ったものだが、この秋に発表されるマイナーチェンジモデルでは、法規対応の影響か990Sのようなシンボリックなコンセプトは成立しづらい状況になるという。さりとて、ミニマルでサスティナブルなスポーツカーの究極形という、ロードスターの本質には何の影響もないだろう。

マツダ・ロードスター
全長×全幅×全高=3915×1735×1235mm。ホイールベース=2310mm。車両重量=990kg~。最高出力=132ps/7000rpm、最大トルク=152Nm/4500rpmの1.5リッター直4エンジンをフロントミッドシップに搭載、後輪を駆動する。車両価格=268万9500円~

文=渡辺敏史

マツダ・ロードスターには27人が投票!
村山雄哉19pt+渡辺敏史19pt+日下部保雄18pt+塩澤則浩18pt+清水草一18pt+高平高輝18pt+藤野太一18pt+大井貴之17pt+塩見智17pt+上田純一郎16pt+桐畑恒治16pt+石井昌道15pt+斎藤聡15pt+小沢コージ13pt+生方聡12pt+村上政12pt+菰田潔10pt+嶋田智之9pt+竹岡圭9pt+吉田由美8pt+山本シンヤ6pt+金子浩久4pt+飯田裕子3pt+島崎七生人3pt+武田公実2pt+藤原よしお2pt+九島辰也1pt+EPC22pt

ロードスターに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
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(ENGINE2023年9・10月号)

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