2023.08.15

CARS

スカイラインに「ニスモ」登場 スーパーGTのノウハウを注入した手組みエンジン仕様も設定

先日発表されたフェアレディZに続き、日産がスカイラインに「ニスモ」を追加した。目指したのは究極のGTカーだという。

400Rをベースにニスモがチューン

スカイライン・ニスモは、スカイラインのトップ・モデルである「400R」をベースにレーシングカーの開発やレース活動などを行っているニスモがチューニングを施したモデル。内外装だけでなく、エンジンやシャシーにも手が加えられている。



GTの赤バッジが復活

エクステリアは、前後バンパーとサイドシル・カバーが専用デザインで、フォグライトやエンブレムはニスモ仕様の共通性のデザインを採用。フロント・ロアグリルやサーフィンラインをイメージしたボディ・サイド、フロント・フェンダーの赤いGTバッジは過去のスカイラインへのオマージュだ。フロント・グリルは開口部断面と内部エアガイドの形状を最適化し、空気抵抗を減らしつつ冷却性能を高めた。また、前後ウインドウの固定にGT-Rニスモに使われる高剛性接着剤を用い、重量増加のない車体剛性向上を図っている。ボディ・カラーは、専用色のニスモステルスグレーを含む5色を用意する。

インテリアは400Rをベースに黒基調で統一し、運転に集中しやすくスポーティな配色や素材を導入。ニスモ専用の本革巻きステアリング・ホイール、280km/hまで刻まれた速度計、ロゴ入りのエンジン回転計を採用する。また、レカロ製スポーツシートとトランクスルー・レスの後席、カーボン・フィニッシャーをセットで装着する仕様も設定される。



15psアップの420psを発生

3.0リッターV6ツインターボのVR30DDTTエンジンはスーパーGTのGT500用エンジンを手掛けた開発者がそれと同じ設備でチューニング。400Rより最高出力を15ps、最大トルクを75Nmアップさせ、420ps/550Nmを発生する。

トランスミッションは7段ATで、「スポーツ」と「スポーツ+」の各走行モード時の変速スケジュールを専用セッティングに変更。エンジンを高回転で維持し、スポーツ走行でのレスポンスのよさを発揮する。

また高出力化に対応して、20mm幅の広い専用のタイヤをリアに採用。ホイールもエンケイ製の専用品で、リム幅を広げながら軽量さと高剛性の両立を図った。サスペンションやスタビライザーはロール低減と接地性向上を果たす専用チューンを実施。ブレーキは摩擦材を耐フェード性に優れるものとし、電子制御ではABSとVDCの設定に手が加えられた。



匠が組んだエンジンを搭載

さらに、S54A-1型初代スカイラインGT誕生60周年記念車として、「スカイライン・ニスモ・リミテッド」を設定する。エンジンは標準のニスモと出力は変わらないものの、横浜工場の匠ラインで熟練工が手組したユニットを採用。また、レカロ製シートを標準装着するとともに、日産初の艶消しガンメタリック塗装ホイールを装備する。ボディ・カラーはニスモステルスグレー、ホワイトパール、ダークメタルグレーの3色だ。

スカイライン・ニスモは1000台、リミテッドは100台の限定販売。リミテッドは日産本社による抽選販売で、応募はウェブページから行え、締切は9月4日15時までとなっている。

価格はスカイライン・ニスモが788万400円、レカロ製シートなどのセットオプション装着車が847万円、スカイライン・ニスモ・リミテッドが947万9800円となっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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