2023.09.06

CARS

レーシングカー血筋のV8は一糸乱れずレッドゾーンへ シボレー・コルベットのZ06に乗った!

運転のライブ感が濃厚

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乗り心地はさすがにベース・モデルのようにはいかず、タウンスピードでは極太タイヤ+スチール・ディスクというバネ下の重みが揺すりや突き上げと共に感じられる。動きにしなやかさが宿ってくるのは高速域からの話だ。ちなみに米国ではZ07というパッケージオプションでブレンボのカーボンセラミック・ブレーキが装着できる(約9000ドル)ほか、単独でカーボン・ホイールを選ぶことも可能(約1万ドル)だが、日本仕様ではこれらのオプションが選択できるかは取材時点では不明だ。



グイグイと路面を捉え続ける

コーナリングを語るにさすがに公道は狭すぎる。275mm幅の前輪は路面をガッツリと捉えながら切り込むほどにゲインをグイグイと立ち上げて、音を上げる気配もそうそうには感じられない。そして345mm幅のリア・タイヤも思慮なくベタ踏みでもしない限りは、やはりグイグイと路面を捉え続ける。自分のお手々では曲がるに乗せられている感がハンパないわけだが、それでも楽しく走れるのは2000mm超えの全幅をして前方視界と左右見切りが非常に良く車両感覚がとても掴みやすいこと、そして回してのフィーリングに手応えのあるエンジンのおかげで運転のライブ感が濃厚なことが奏功しているのだろう。サーキットにでも行かない限り絵に描いた餅……というのはロードゴーイング・レーサーのありがちなオチだが、そういうものにはなっていないというのがコルベットらしいというか、アメ車らしいところだと思う。

Z06の価格は2500万円。決して安くはない上に、世界的な争奪戦のなか、輸入台数はごく限られた数量になるのかもしれない。でも、後にも先にも比類がないだろう、最上の内燃機体験ができる1台として、チャンスがあれば全力で検討に値する1台であることに疑いはない。

文=渡辺敏史 写真=宮門秀行

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