2023.10.25

CARS

マイルド・ハイブリッドとは別物の力強さ! アルファ・ロメオ・トナーレのプラグイン・ハイブリッドに試乗 電気を吐く大蛇!!

アルファ・ロメオ・トナーレにプラグイン・ハイブリッドが加わった!

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ブランド初のCセグメントSUVとして登場したトナーレのおかげで、グローバルで57%増という好調な販売を記録しているアルファ・ロメオ。PHEVの追加により日本市場でも飛躍することができるだろうか。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

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明らかにパワー志向

2027年にはラインアップをすべてEVにすると発表している(ほんまかいな?)アルファ・ロメオにとって初のプラグイン・ハイブリッド・モデルが、CセグメントSUVのトナーレに追加されたこのQ4である。今年初めに導入されたトナーレはいわばマイルド・ハイブリッド・モデルだったが、新型はフロントのエンジンに加えてリア・モーターを搭載した外部充電もできる電気式4WDであり、それゆえ伝統的な「Q4」を名乗る。装備によって「TI」と「ヴェローチェ」があり、さらに導入を記念してヴェローチェをベースにサンルーフとハンズフリー付き電動テールゲートを加えた「サンルーフ・エディション」が限定150台用意される。



パワートレインはマイルド・ハイブリッド仕様とは別物で、180psと270Nmを生み出す1.3リッター直4ターボ(&スターター・ジェネレーター)で前輪を駆動し(変速機は6段AT)、128psと250Nmを発揮するリア・モーターで後輪を駆動する4WDである。フロントとリアのアクスルは機械的に結ばれていない電気式、要するに今や同じグループであるジープ・レネゲード4×eなどと同じ成り立ちである。フロア下中央に15.5kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し(普通充電のみ対応)、EV走行距離はWLTCモードで72km、燃費は14. 1km /リッターという。先に登場したマイルド・ハイブリッド・モデルは1.5リッター直4ターボ(160ps&240Nm)でWLTCモード燃費は16.7km /リッターだったから、マイルド・ハイブリッドに比べると明らかにパワー志向である。実際、中間加速で足踏みするようなもどかしさを感じさせたマイルド・ハイブリッド・トナーレとはまったく別物の力強さである。何しろシステム・トータル出力は280ps、0-100km /h加速は6.2秒というからなかなかの駿足である。

レザー・シートはヴェローチェに標準。


ダッシュボード中央の10.25インチ・タッチスクリーンにエネルギー・フローや充電状態を表示できることと(カーナビ付きでデジタルメーターにも表示可能)、頭部がコンセントになった大蛇「エレクトロ・ビッシヨーネ」が車体のあちこちに隠されていることを除けば、PHEVであることをアピールするアイテムは少ない。

アルファ・ロメオではお馴染みの「DNA」というドライブ・モード選択ダイヤルもマイルド・ハイブリッドのままだが、このクルマの場合、「D」(ダイナミック)は常時エンジン可動のスポーティ・モード、「N」(ナチュラル)は基本のハイブリッド・モード、また「A」(アドバンスト・エフィシェンシー)はEV走行モードだが、充電レベルが低下したり、フル加速した時にはNモードに切り替わる。ちょっと戸惑うのはいったんNに切り替わると自動でAには復帰しないこと。さらにバッテリー充電を優先する「e-Save」スイッチも備わっている。



車重は1.9トン近くにもなるが、さすがはモーターもアシストする4WDの上に可変ダンパーも装備するせいか、もっとも軽快かつ落ち着いた乗り心地を持つトナーレである。

今年の上半期ではグローバルで台数が57%増という勢いを見せているというが、アルファ・ロメオが生き延びるにはこのトナーレがこのまま加速できるかどうかが鍵である。

文=高平高輝 写真=ステランティス・ジャパン

(ENGINE2023年11月号)

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