2023.12.03

CARS

【超保存版】8歳でお父さんが乗るジュリエッタに恋したのが始まりだった 世界に名高いアルファ・コレクターの愛と情熱の私設博物館とは?【『エンジン』蔵出しシリーズ アルファ・ロメオ篇】

世界的なアルファ・コレクターとして有名なジッポ・サルヴェッティさん。これまた有名なアルファのクラブ、「アルファ・ブルー・ティーム」の発起人でもある。

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回の「アルファ・ロメオ篇」は、これぞ保存版と言える世界的なアルファ・ロメオ・コレクターのストーリーだ。ミラノからクルマで走ることしばしの郊外。そこに現れた工場跡らしき建物。時間どおりに出迎えてくれたジッポ・サルヴェッテさんに出迎えられてなかへ入ると、そこはまるで、新車のデポかと思うほどの、夢のような場所だった・・・。2013年12月号のアルファ特集の記事を取り上げる。

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「ミラノ郊外に“アルファ・ブルー・ティーム”を訪ねると、そこはまるで戦後のアルファ・ロメオの私設博物館だった 『40年間も続く毎木曜日の集会』」ENGINE 2013年12月号

「13歳の時に見初めたジュリアSSが好きで好きでたまらなくて、中古を自分で見つけてきて父に買ってもらった。それが始まりだよ」。

 とくに個人的に思い出深い5台を、と選んでもらったクルマたち。人生最初の自分のアルファとなったジュリアSS。


ジッポ・サルヴェッティさんは、アルファ・ロメオのコレクションで世界に名高いひとである。8歳の時に、お父さんが乗るジュリエッタに恋をして、以来、アルファ・ロメオ一辺倒。1972年の聖ヴァレンタイン・デイに“アルファ・ブルー・ティーム”というクラブを作り、いまやこのクラブのミュージアムには、アルファ・ロメオが200台以上も並んでいる。そのほとんどが戦後の量産モデルだ。基本的には一般向けには非公開。クラブ員のお墨付きがなければ、立ち入ることは許されない。

キラ星のごとき1960年代中心のスポーティ・モデル群。アルファ・スッドのレース仕様もある。左の壁には無造作に鋼管フレームが。

「僕が高校生だった頃、イタリアの中流家庭の子は18歳ぐらいになるとクルマを買ってもらえるのが普通だった。ミニ・クーパーとかフルヴィア・クーペとかをね。兄は18歳でアルファ・ロメオのGTジュニアを新車で買ってもらった。僕は件のジュリアSSを見つけてきて、『半額以下なんだから、すぐに買ってくれ』と交渉したんだ。まだ高校を卒業していなかったんだけどね。ボディ色は緑だったのを濃い青に塗り直した。僕と兄と、アルフィスタ仲間のクラウディオ、グイド、エミリオの5人で結成したクラブの名前、“アルファ・ブルー・ティーム”に因んでそうしたんだよ」

アルファなのになにゆえ赤じゃなくて青なのですか? と問うと。

「父は(トランプの)ブリッジの世界選手権を戦うイタリア代表ティームの一員だったんだ。父が代表を務めた70年代には3回世界チャンピオンになった。そのティームの名前が“ブルー・ティーム”だった。そこで兄と話し合って、決めたのさ」

ジュニア・ザガートもいます。ジュリエッタ・スプリントも、そのスパイダーも、スプリント・スペチアーレも、スパイダー・デュエットも、60年代後半に少数作られたクラシカルな姿の4 Rザガートも。奥には2600ザガートもいる。


そして、コレクションはいまやこれほどの規模になったというわけだ。

「アルファ・ブルー・ティームのミーティングは毎週木曜日の夜。結成から41年間、欠かすことなく続いている。結成メンバーは今も毎週ここへ集まるよ。そして、皆でアルファ・ロメオについて語り合うんだ」

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