2023.10.08

CARS

1000馬力オーバーだけど25kmのEV走行もできるスーパー・フェラーリ、「SF90XX」が日本上陸

フェラーリが「SF90XXストラダーレ」をF1日本GPに合わせ開催した顧客イベント、「フェラーリ・ナイト」で日本国内初披露した。会場にはF1ドライバーのシャルル・ルクレールも来場し、トークショーなども行われた。

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XX初の公道走行可能モデル

SF90XXストラダーレは、「FXX」をはじめとする20年に亘りサーキット専用車として製作された「XX」モデルでは初となる公道走行可能なモデル。これまでのXXモデルと「F40」や「ラ・フェラーリ」といった限定モデルのスペシャル・バージョンのコンセプトを兼備したモデルと言えるだろう。今回はクーペのSF90XXストラダーレが公開されたが、リトラクタブル・ハードトップを備える「SF90XXスパイダー」もラインナップする。



レーシーなエクステリア

エクステリアはサーキット走行を前提としながら、公道仕様も考慮した専用デザイン。フロントではラジエーター傾斜角とアンダー・ボディのレイアウトを変更し、新形状のSダクト、バンパーの2種類のブロウン・ダクトを採用している。またホイールアーチにはルーバーが設置され、最高速度域では325kgのダウンフォースを生み出す。

リアには公道向けフェラーリでは「F50」以来という固定式リア・ウイングを採用。ボディワークやアクティブエアロ・デバイスのシャットオフ・ガーニーと相まって、250km/hで最大315kgのダウンフォースを発生する。テールライトは横一文字に走るバータイプ。三胴船をモチーフにした下部には大型ディフューザーやセンター2本出しのテールパイプを備える。



チューブラー構造のカーボン製シート

インテリアはカーボンとアルカンターラを多用し、ドア・パネルやセンタートンネルを簡素化して軽量化。シートはカーボンを用いたチューブラー構造で、角度調整が可能ながら、シームレスな形状と、SF90ストラダーレの一体型シート比で1.3kgの重量軽減を実現した。

パワートレインは「SF90」用を進化させた3990ccV8ツインターボのF154FB型エンジンに3つのモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド。SF90ストラダーレ用のF154FA型より3.5kg軽量化し、最高出力は797ps/7900rpm、最大トルク804Nm/6250rpmを発生する。レブリミットは8000rpm、トランスミッションは特許を取得している変速ロジックを用いたデュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)だ。



0-100km/h加速は2.3秒

合計3基の電気モーターはフロント左右に1基ずつと、エンジンとギアボックスの間に1基搭載。7.9kWhのリチウムイオン・バッテリーを組み合わせ、4輪を駆動する。システム出力はSF90ストラダーレより30psアップの1030psで、0-100km/h加速は2.3秒、最高速度320km/h。さらに最長25km、最高速度135km/hのEV走行が可能だ。

生産台数はストラダーレが799台、スパイダーが599台。そのすべてが売約済みだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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