2023.11.13

CARS

「電子制御のない996型GT3で箱根を飛ばすのとは違った怖さがある」 ポルシェ911GT3(992)の底知れない凄さとは? カレラT、カレラ・カブリオレ、カレラ4GTS、そしてGT3の4台に試乗【911GT3篇】

自然吸気のフラット6は世界遺産級!

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ポルシェ911の広報車、カレラT、カレラ・カブリオレ、カレラ4GTS、そしてGT3の4台をすべて借り出し、ポルシェ・エクスペリエンス・センター東京のクローズド・コースと箱根の峠道を走った。エンジン編集部、編集長の村上と編集部員の塩澤、荒井、新井、上田の4名で、4台それぞれの個性、911として共通するものなどを語り合う座談会を行った。「カレラT篇」、「911カレラ・カブリオレ篇」、「カレラ4GTS篇」に続いて、今回はいよいよラストの「911GT3篇」をお送りする。

自然吸気の4リッター水平対向6気筒エンジンは未来遺産

荒井 ではそのGT3へいきましょう。カレラ4GTSにさらに追い金463万円。2628万円でのご提供です。



村上 さっき、Tとカレラ4GTSの差で驚いた人がいたけど、こっちの方がビックリ。それだけしか変わらないんだ。GT3RSの3378万円も安いと思うけど、GT3も超バーゲン・プライスだね。GT3の性能で2628万円だなんて、そんなクルマはほかにない。

上田 フェラーリもマクラーレンもはるかに高いですからね。

村上 GTSとGT3は911のスポーティネスという点では貫かれているけれど、やっぱりフェイズに大きな開きがある。それはエンジン。エンジンがまったく別モノ。カレラ・シリーズに搭載されている3リッター・ターボはものすごく軽く吹け上がるでしょう? 一方、GT3の4リッター自然吸気エンジンは、低回転域ではむしろ重厚な感じ。ところが回していくと、あるところからフワーッとびっくりするほど軽くなる。

荒井 吸い込まれそうな気持ちになっちゃうよね。

塩澤 編集部にあった996型GT3をちょっと思い出した。緻密な機械が動いているという感じ。

村上 そうだね。中回転域ぐらいまでは似ているかもしれない。

塩澤 本当にGT3の自然吸気4リッターフラット6は素晴らしいの一言に尽きるね。これはもう未来遺産ですよ。



村上 カレラ・シリーズはクルマとしてどんどん良くなっているけれど、ポルシェ濃度という意味では、やっぱりGT3やGT3RSにトドメを刺すという感じがした。

塩澤 GT3はポルシェ濃度が濃いというのはわかるけど、一方で快適性はどんどん上がっているよ。僕はGT3RSのあとにGT3に乗ったから本当にそう思った。

村上 実際、PEC東京のある千葉県・袖ケ浦からムラヤマ君とGT3で帰ってきたけれど、快適だった。

村山 寝てましたよね(笑)。

村上 アクアラインのトンネルが渋滞してたんだけど、あんなのに996型GT3でハマッたら大変だよ。

村山 992型のGT3は低速でも扱いやすかったです。

村上 もう本当に隔世の感がある。



試乗車のフルバケット・シートはオプション。

上田 PEC東京のコースで唯一パドルを操作した。高回転域の音が聞きたくて。

村上 僕はクルマ任せ。ブレーキングした時のウォン、ウォンというブリッピングの音にしびれた。シフト・ダウンのタイミングの素晴らしいこと。ここ! というジャストのタイミングでシフト・ダウンする。

新井 ドライビング・モードを「トラック」にしているとすごいですよね。まったくパドル操作なんかいらない。

村上 GT3RSの座談会でGT3はサーキットが主戦場だと誰かが言ったけれど、本当にそうだよね。GT3以上は完全にサーキットで走ることを前提にクルマを作っている。GTSまでは"サーキットも"走れるクルマだけど、GT3以上は"公道も"走れるクルマなんだな。

新井 その性能を使いきれないから、だんだん情けなくなってくる(笑)。

村上 そうなんだよ。絶対性能がどんどん上がっているから、僕にもちょっとトゥーマッチ。電子制御のない996型GT3で箱根を飛ばすのとは違った怖さがある。

荒井 底が知れないよね。



新井 エンジンで言うと、箱根の峠道を走るぐらいなら、もう3リッターのターボで十分なんですよ。僕がGT3に感心したのはハンドリングです。ダブルウィッシュボーンのおかげなんでしょうね。

村上 そこは大きいよね。ステアリング・フィールがまったく違う。

新井 だから、僕はTにダブルウィッシュボーンを入れて欲しい(笑)。そうなったら絶対にいいはず。

荒井 だけど、そうなったらなったで昔ながらの911の味みたいのは薄くなるかもよ。僕もGT3のハンドリングはカレラ4GTSなんかとは全然違うと思った。で、GT3RSに乗ったらもっと良かった。なんだかもう、開けても開けてもドアがある感じ。僕は本当にそのことに驚きました。



村上 今回はGT3RSを含めて5台の最新911に乗ったわけだけど、すべてにポルシェのスポーティネスが貫かれているにもかかわらず、それぞれがちゃんと個性を持っていて、しかもその個性が存在意義になっていると改めて思った。

上田 これはなくてもいいというのがないですからね。

荒井 それぞれの違いをどんな人が乗ってもわからせるというポルシェの底力に感服しました。

村上 GT3RSでさえ誰でもちゃんと乗れる。そういうものにどんどんなっているというのは、技術の進化なのかな。本当にすごいとしか言いようがない。

荒井 クローズド・コースを散々走った翌日に峠道を攻めたりしても、まったく音を上げない。そこも褒めてあげたいね。

語る人=村上政+塩澤則浩+荒井寿彦+新井一樹+上田純一郎+村山雄哉 写真=神村聖


■ポルシェ911GT3
駆動方式 リア縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4573×1900×1279mm
ホイールベース 2457mm
車両重量 1450kg
エンジン 直噴水平対向6気筒DOHC
排気量 3996cc
最高出力 510ps/8400rpm
最大トルク 470Nm/6100rpm
変速機 7段自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 255/35ZR20 315/30ZR21
車両本体価格 2628万円

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(ENGINE2023年11月号)

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