2023.11.22

CARS

RX-7の後継か、それとも次期ロードスターの雛型か? 絶対に市販して欲しい「マツダ・アイコニックSP」

真っ赤に塗られたコンパクトなボディを持つ後輪駆動の2ドア・クーペで、ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4180×1850×1150mmで、現行ロードスターのND型より265mm長く、115mm広い。ちなみにRX-7の最終モデルであるFD3S型と比較すると、100mm程度短く、90mmワイドだ。ホイールベースは2590mmで、これはFD3Sの2425mmやNDロードスターの2310mmより長い。

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FD3S型RX-7の面影を感じる

抑揚の豊かなパネル、リトラクタブル・タイプのヘッドライト、サイドまで回り込んだリア・ウインドウなど、FD3S型RX-7を彷彿させる要素を持つスタイリングはかなり魅力的な仕上がりだ。ドアは前ヒンジだが、やや上方へ跳ね上がるように開く。

キャビンは2シーターで、高さのあるセンター・トンネルが左右を区切るスポーツカーらしい仕立て。シートやトリムには生物由来素材の仕様を示唆する表記も見られる。



2ローターのシリーズ・ハイブリッド

スタイリングやコンセプトとともに注目されるのがパワートレイン。なんと2ローターのロータリー・エンジンを搭載する。ただし、この2ローター・ユニットは発電用で、駆動は370psの電気モーターが担う。つまり、MX-30に搭載されたロータリー・エンジンを用いたシリーズ・ハイブリッドの進化版となる。ロータリー・エンジンは水素をはじめとするガソリン以外の燃料に対する順応性に優れるため、カーボンニュートラル燃料の使用が想定されている。このシステムは外部への電力供給も可能だ。

車両重量は1450kg。ロードスターと比べるとウェイトがかさんでしまうのは、ハイブリッドであることを考えるとやむを得ないところだ。しかし、3.9kg/psというパワーウェイトレシオは現行ロードスターやFD3S型RX-7を大きく凌ぐ。また、50:50の前後重量配分や低い重心が優れた運動性を予感させる。



赤いボディはマツダの想い

ちなみに外観自体は初見ではなく、2022年11月に開催された中期経営計画のアップデートおよび2030経営方針説明会で上映された『マツダが描く未来への想い』という動画の中に映像で登場していた。今回は映像のときの白色ではなく、ヴィオラ・レッドと名付けた赤に変更されていたが、これはマツダの赤を重視する想いと、「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」という企業理念を表現するためだ。

はたして、これはRX-7後継車の予告なのか、それとも次期ロードスターの技術要素の提案なのか。いずれにせよ、この魅力的なスポーツカーが今後のラインナップに加わることを期待するばかりだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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