2023.11.28

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シンプル&コンプリの「ポルトギーゼ」を2本! IWCの世界観を心ゆくまで堪能する

2024年冬の時計特集のテーマは、「アイディアル・ペア~理想の2本を探せ!~」。自宅のガレージに絶妙な組み合わせのクルマを2台並べるように、時計も2本ペアで選ぶのが大人の時計好きの楽しみ方だ。今回は、編集部が信頼する時計ジャーナリストと目利きたちで結成したエンジン時計委員会のメンバーのみなさんに、組み合わせの妙を楽しむ時計の選び方を指南してもらった。

IWCの代表モデル「ポルトギーゼ」は、戦前に登場したオリジナルの流れを汲む、クラシカルなダイアル・デザインが魅力。40mmの「SMALL SECOND」×44mmの「PERPETUAL CALENDAR」の2本は、独り占めもよし、パートナーと楽しむのもよし。

◆SMALL SECOND



ポルトギーゼ・オートマティック 40
6時位置にスモールセコンドを配した中2針のクラシカルなダイアルは、1939年にポルトガル商人から寄せられたマリン・クロノメーター級の高精度を備えた腕時計を作ってほしいとの要望に応えてIWCが製作したオリジナル『ポルトギーゼ』のデザインを現代的に再解釈したもの。特徴的なアラビア数字や針の形状などは当時のモデルを忠実に再現する。IWC伝統のペラトン自動巻き機構を装備する自社製の最新ムーブメントは、摩耗しやすい箇所にセラミックパーツを用い、耐久性が抜群。パワーリザーブ約60時間。レッドゴールド、ケース直径40.4mm。3気圧防水。244万2000円。

◆PERPETUAL CALENDAR



ポルトギーゼ・パーペチュアルカレンダー
『ポルトギーゼ』コレクションの最高峰モデルは、右ページと同様に戦前のオリジナルに由来するクラシカルなダイアル・デザインを採用しながら、背後に途轍もない複雑機構を秘める、まさしく通好みの逸品。ペラトン自動巻き機構を装備する自社製ムーブメントは、7日間(168時間)という驚異的なロングパワーリザーブを誇り、その表示をはじめ、指針式の日付、曜日、12か月および4桁の西暦表示から成る永久カレンダー、さらに577.5年で1日分の表示誤差という超精密な永久ムーンフェイズを搭載する。レッドゴールド、ケース直径44.2mm。3気圧防水。605万円。

◆エンジン時計委員が指南! これが「IWC」のペア選び◆


どう使い分けるか? 
シンプルになればなるほど、ウォッチデザインは難しい。限られた要素で個性を表現し、他との違いを出すには、数値では計れない感性の領域が求められる。だからこそその美しさはどんな機能よりも感動を与える。一方コンプリケーションには常人には窺い知れぬ技術の叡知が注がれていることはいうまでもない。しかしそれは明晰な頭脳と理論から成り立ち、秀でた時計師にとってはむしろシンプルなのではないか。そんな2本をどう使い分けるか。シンプルな3針は旅先に。実用性に優れ、海外との時差調整も容易だ。対する永久カレンダーは日常使いしたい。そうでないと日捲りの妙が味わえないから。ここでも両者の立場は逆転するようだ。(時計ライター・柴田 充)

時計通を気取る 
IWCの海外イベントに愛用の「ポルトギーゼ・クロノグラフ」を着けて出かけたら、偶然にも女性スタッフやゲストたちが同じ時計を着けていた。男っぽいクロノグラフをカラフルなストラップでお洒落にドレスアップした彼女たちのほうが断然素敵に見えたのはちょっと悔しい。張り合うワケではないけれど、ならば、高貴なゴールド製の、しかも戦前のオリジナルに近いシンプルなモデルや、逆に最高峰の複雑モデルでイザ勝負なんてどうかなんて考えたものだ。いかにも時計に精通した愛好家を気取れるに違いない。そう、こんな2本の「ポルトギーゼ」を常備すればどんな場面でも引けを取らない。「いい時計、さすがですね」と褒められること請け合いだ。(時計ジャーナリスト・菅原 茂)

カレンダー、アリかナシか問題 
カレンダーなしの時計が好きだ。時計を複数所有すると、止まってしまう個体も増えるので、いざ使う際もカレンダー合わせが億劫になる。その点カレンダーがなければ、その面倒もなくなるからだ。さらには『ポルトギーゼ・オートマティック40』のように、カレンダーがないことで美しいダイアルのバランスが生まれる場合もある。カレンダーのない時計こそが至高なのだ。しかし、閏年が近づくと永久カレンダーモデルが気になってくる。来年はまさに閏年であり、永久カレンダーモデルの買い時(?)ではある。しかもIWCには西暦表示タイプもあるので、年越しのカウントダウンも楽しい。結局カレンダーは、ナシもアリも両方必要なのだ。(時計ジャーナリスト・篠田哲生)

パートナーとの現代的ペア 
女性向けの腕時計がここ数年サイズアップしている。少し前は日本では直径30mmがボーダーラインとされてきたが、今では直径33mmを超える、ボーイズサイズ以上の需要も増えてきたようだ。さらに先日携わった仕事で女性向けサイズをリサーチしていたところ、40mmも許容範囲と知ることに。とうとう40mm超えたなあ……、と思っていた時に、このペアの提案である。言わずもがな、IWCの代表作『ポルトギーゼ』。同社でのレディスはポートフィノが有名だが、この40mmのスモールセコンドと44mmの永久カレンダーは、まさしく現代の需要の中でこそ叶えられたペアともいえるのではないだろうか。二人で共にIWCの世界観を味わう時代が来た。(時計&宝飾ジャーナリスト・野上亜紀)


写真=宇田川 淳 スタイリング=小林尚史(ENGINE編集部)

問い合わせ=IWC Tel.0120-05-1868


(ENGINE2024年1月号)

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