2024.01.02

LIFESTYLE

50年ぶりの貴重な大規模展! ピカソやブラックだけじゃない ! 上野・国立西洋美術館で開催中「キュビスム展」の奥深い世界

ロベール・ドローネー《パリ市》1910-1912年  Centre Pompidou, Paris, Musee national d’art moderne - Centre decreation industrielle (Achat de l’ Etat, 1936. Attribution, 1937) (C) CentrePompidou, MNAM-CCI/Georges Meguerditchian/Dist. RMN-G

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上野の国立西洋美術館で約50年ぶりとなる大規模なキュビスム展が開催中。ピカソやブラックだけでなく、多彩な芸術家たちによる色彩豊かでダイナミックな作品の数々を堪能する。

キュビスムに夢中になった芸術家たち

美術が好きな人であれば、「キュビスム」は、20世紀初頭にピカソとブラックが始めた芸術運動であることを知っていることだろう。さらに詳しい人なら、キュビスムが生まれたことで、20世紀以降の美術は多様な発展を遂げたことも知っている。そして、美術にあまり興味のない人でも「天才的に絵が上手いピカソが、あえて描きはじめた目や口がとんでもない場所にある人物の絵」といったイメージを頭の中に持っている方が多い。

現在、国立西洋美術館で開催中の「キュビスム展─美の革命」は、そんなキュビスムを徹底的に掘り下げた展覧会だ。展示を見ていくと、ピカソやブラック以外にもキュビスムに夢中になった芸術家がたくさんおり、それぞれ個性的な作品を制作していたことがわかる。色彩の魔術師と謳われたロベール・ドローネーの作品は、非常に鮮やかな色彩で、構図やテーマも斬新。エッフェル塔やセーヌ川をキュビスムで描くとこうなるのかと驚かされる。アルベール・グレーズの描くキュビスムの農村風景も非常に刺激的だ。

アフリカの彫刻からの影響も

キュビスムが誕生するまでの物語もおもしろい。キュビスムは、対象物を様々な視点で捉え、1枚の絵にまとめた画家、ポール・セザンヌの影響を強く受けていると言われているが、ポール・ゴーガン、アンリ・ルソーらからも影響を受けているそう。また、当時人気があったアフリカの彫刻にも強い影響を受けていたという。会場に並ぶ面長の仮面や、シンプルなフォルムの彫刻は、確かにピカソが描いていそう。多様な源泉があってキュビスムは生まれたものなのだ。

一見すると難しそうに感じるキュビスム。しかし、誕生から発展、そしてその後の流れを丁寧に紐解いた展示を見ていくと、その方向性は非常にシンプルで、当時の芸術家たちが魅了されたのもよく分かる。芸術の秋、キュビスムの魅力にこの展覧会でどっぷりと浸かってみよう。

■『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展─美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』は上野・国立西洋美術館で2024年1月28日まで開催

文=浦島茂世(美術ライター)

(ENGINE2023年1月号)

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