2024.03.13

CARS

ここはまるで自動車ミュージアム!  ベントレーS2コンチネンタル・フライングスパーからマクラーレン720Sまで、ブランドを問わずクルマを愛するオーナーのこだわりは、色でした!

雑誌『エンジン』の人気企画、「2台持つとクルマはもっと楽しい」。茨城県水戸市の自宅を訪ねると、そこはまるで自動車博物館のようだった。発売当時「ショールームで買える世界で最も高価なクルマ」と言われたロールス・ロイス・カマルグをはじめ、美しいクルマがどっさり。一見、バラバラのようなコレクションには色へのこだわりがあった。

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瀟洒な洋館

常磐道水戸ICを降りてから約15分。訪問時間より少し早く到着したことを電話で告げると、自分はいま職場から向かっているので先に敷地内に入ってもらって構わないと、家の主は言った。シャッターの降りたガレージ脇の道を進むと茶色のレンガ塀が美しい大きな家が現れた。こちらが母屋だろう。母屋の前は中庭になっていて、そこにクルマを停める。中庭をはさんで母屋と向かい合うのは先ほど脇を通過したガレージだ。ガレージの母屋側はガラス張りになっていて、中にポルシェ911ターボ(993)、フェラーリF355スパイダー、ベントレー・ミュルザンヌが見える。すごい、すごいと言いながら望月カメラマンと覗き込んでいると、母屋から奥さんが現れた。「家のガレージも開けますね」と言うと、母屋の1階に設けられたガレージのシャッターがスルスルと上がっていった。

母屋1階のガレージには5台が収まっていた。写真上の左から時計まわりにジャガーXJ40、アルピナB7ビターボ、アルピナB6Sカブリオ、ジャガーEタイプ・シリーズ1。自分が持っているクルマのなかで乗って一番楽しいのはアルピナB6Sカブリオだと土田さんは言う。ボディ・カラーはジャガーXJ40がワインレッド、ほかの3台はグリーンとなる。土田さんが好きな色だ。

母屋1階のガレージにはクルマが5台収まっていた。アルピナB6Sカブリオ、ジャガーXJ40、アルピナB7ビターボ、ジャガーEタイプシリーズ1、そしてデ・トマソ・パンテーラ。

どれをメインに撮影しようか? などと少し興奮気味に話し合っていると、マセラティ・グランカブリオに乗ったご主人が帰ってきた。

「どうもお待たせしました。遠いところありがとうございます」

にこやかに挨拶するのはここにあるすべてのクルマのオーナー、土田誠さんだ。

デ・トマソ・パンテーラ(1974)は10年以上前に購入した。


「となりのゲストハウスにもクルマがあります。ご覧になりますか?」

きょとんとしている私を土田さんが、どうぞこちらへと促す。

ゲストハウスも3階建ての白い瀟洒な建物だった。1階の大きなシャッターが開くと、なんとそこにもクルマが5台! なんなんだ、ここは! 一瞬、思考が止まった。



「右は1962年のベントレーS2コンチネンタル・フライングスパーです」

土田さんの言葉で我に返る。並んだクルマはベントレーのほか、ロールス・ロイス・カマルグ、メルセデス・ベンツ280SEクーペ、ジャガーXJSコンバーチブル、マクラーレン720Sスパイダーである。

さらにほかのガレージにはデイムラー・ダブルシックス、ロールス・ロイス・コーニッシュ5、マセラティ・ギブリ・スパイダー、シトロエンCXファミリアールなどもあるという。

ベントレーS2コンチネンタル・フライングスパー(1962)。



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